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【女性のがん対策の鍵:低検診率改善】~地方と国の連携が不可欠~

Japan In-depth / 2015年10月20日 15時46分

52歳で亡くなったこの患者さんの娘さんは、母のそうした姿を見て自ら医学の道に進んだという。彼女が福田氏に語った言葉が紹介された。「がん=死ではなくむしろ生であると知った」


最後に福田氏は、都道府県間で検診受診率に大きな差があることを指摘。マンモグラフィの死亡率減少効果が高いとのデータを紹介し、積極的な検診の受診を求めた。又、「コール・リコール(注4)」の重要性も強調したが、対象者が自治体によって異なることも問題だとした。


次の講演「子宮頸がんの基礎と検診の在り方」では、鈴木光明 自治医科大学名誉教授(注4)は、我が国で死亡率増加が加速しているのは子宮頸がんのみであること、20代後半から40代前半の若い層に罹患率が増えている実態を明らかにした。


鈴木氏は、現代は「予防の時代」であり、治療はもはや時代遅れだ、と強調した。その上で、子宮頸がん検診の受診率を上げるには、受診者負担額の引き下げが効果的との考えを示した。又クーポン券なども検診受診率を上げるのに効果がある、とした。又コール・リコールについては、1度、2度で終えず、3度目は(受益者の検診を受ける)権利を放棄するかどうか意思確認の通知をするという例も紹介された。


その後行われた「地方のがん対策これまでとこれから」と題したパネルディスカッションには、本イベントをNPO・民間啓発団体の立場で主催する、乳がん・子宮頸がん検診促進議連応援団共同代表の認定NPO法人乳房健康研究会常務理事 高木富美子氏、一般社団法人シンクパール代表理事 難波美智代氏、認定NPO法人子宮頸がんを考える市民の会理事長 渡部享宏氏らをはじめ、同世話人の大阪大学大学院医学系研究科招聘教授 小林忠男氏が、福田氏、鈴木氏や議員らと登壇。地方自治体の特色にあった内容での受診勧奨と、地域活動の好事例を紹介するなど、未受診者をいかに無くすことが出来るかを考える事が重要であることなどが確認された。


また、乳がん・子宮頸がん検診促進議員連盟会長の野田聖子衆議院議員は「女性が活躍するためにも、愛するものをしっかり守るためにも、自分自身が元気でなくてはならない」と語り、女性特有のがん対策を早急に進める必要性があることを強調した。



参加した議員からは、「医療の現場や患者、市民団体との連携がいかに必要か再確認した。この勢いで地域でもますます強く推進していこうと感じた。(五十川玲子岐阜県各務原市議会議員)」「地方の職域での推進も今後の重要課題である(薬師寺みちよ参議院議員・議連事務局長)」又、「乳がん子宮がん検診については、女性特有のものであるという認識が多いためか、男性の関心が低いのが現状。だからこそ積極的に男性が加わっていく必要性を感じている。(床鍋義博東京都東大和市会議員)」など多くの意見が寄せられた。


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