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[Japan In-depthチャンネルニコ生公式放送リポート]【認知症になっても大丈夫な社会を作ろう】〜ジャーナリスト古川雅子氏に聞く〜

Japan In-depth / 2015年11月2日 11時0分

[Japan In-depthチャンネルニコ生公式放送リポート]【認知症になっても大丈夫な社会を作ろう】〜ジャーナリスト古川雅子氏に聞く〜

今週の放送は、介護問題や認知症について取材を続けるライターの古川雅子氏と、AERAの古田真梨子記者をゲストに、AERAでも特集された「認知症」について議論された。
アルツハイマー型が一番多く知られているだろうが、認知症には多くの種類があり、一括りにはできない。罹患している方々が共通して抱える問題はなんだろうか。古川氏は認知症当事者への取材を数多く重ねてきた。ここにきて「映画『アリスのままで』などの認知症を取り扱う映画が放映されるなど、身近なテーマになりつつある。さらに日本でも、認知症を患う当事者の体験談を聞くことができる機会が以前より増えた。

古川氏が、以前来日した、オーストラリアのクリスティン・ブライデン氏(認知症当事者)の講演を聞いて一番印象に残っているのは『思考の風船が頭の中で引っかかってしまっている』という言葉だという。「内面の葛藤やもどかしさを垣間見た気がした」と述べ、認知症を抱える人自身が、世界をどう受け止め、どんな困難を感じているのかを知ることが重要だと指摘した。また、「認知症の症状はゆっくりと進行し、物忘れのように断片的に情報が欠落するのではなく、外出した事実すら忘れ、エピソードまるごとの記憶が抜け落ちるといった特長がある」とし、その症状を解説した。

国際アルツハイマー病協会の発表によると、全世界における認知症の患者数は、2030年には7600万人、2050人には1億3500万人に及ぶという。厚生労働省の統計では、2025年には国内の患者数は700万人を超え、65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症に罹患すると言われている。

「高齢化と関係があるだろう」という安倍編集長の指摘に古川氏は賛同し、「日本はそもそも超高齢社会。『誰かが認知症になる』というよりは、『誰もがなる可能性がある』と考えたほうがいい」と述べた。「昨今は、『健康寿命を延ばす』ことがブームになっている。健康にいいことをすると、症状を遅らせることができるのか」と安倍編集長の質問に対し、「科学的に証明された対症法はわかっていない。厚労省によると、65-69歳の方が認知症になる確率は1.5%に対し、70-74歳になると3.6%、75-79歳になると7.1%、85歳以上になると27.3%と、年齢に比例して出現率が上がると報告されている」と古川氏は述べた。古田記者が「認知症は完治しないのか」と質問すると、古川氏は「現時点では治癒は見込めないが、初期対策として、伝言ゲームなど脳を活性化させること、閉じこもらず外出することなど、脳を活性化させ、症状を進ませないための取り組みもある」と述べた。

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