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[清谷信一]【挨拶すら出来ない自衛官に物申す】~コミュニケーション能力に難あり~

Japan In-depth / 2015年11月4日 18時0分

デリゲーションは英軍の将校がアテンドしており、離れたところ件の3佐がいたので、筆者は彼に名刺を渡して、名前を名乗り、取材で着ている旨を告げて挨拶したが、彼は名刺も出さず、官姓名も名乗らなかった(帰国後照会して森竹辰哉3佐と判明した)。恐らく彼は警備官である。防衛駐在官ならば1佐か2佐だ。

筆者は挨拶した後、デリゲーションに密着して話している内容を聞くのも無粋だと思ったので、邪魔にならないように離れた位置からデリゲーションの写真を撮っていた。森竹3等陸佐もそれを黙ってみていたので特に問題も無いだろうと考えていた。

筆者が写真を撮影したのは、かつて自衛隊の視察は1,2日だけサラッと来て、視察らしい視察をしないで帰っていくことが多かったが、今回は最終日の最後まで熱心に会場を視察していたので、こういうところは報道すべきだと思ったからだ。ところが英陸軍のアテンドの将校から、「あまり写真を撮るのはやめてくれ」と言われた。少々しつこくしすぎたかな、とは思ったが、了解したと告げた。

だがそれまで黙っていた森竹3等陸佐まで急に「写真を勝手に撮るな、社会的常識上問題だ、とかお互いの信頼関係が云々」と言い出した。デリゲーションの撮影に差し障りがあるならば、何故英側のアテンドが言うまで黙っていたのだろうか。筆者にしてみれば、こちらは取材だと挨拶し撮影していたのに、名刺もださず、自分が何者かも名乗りもしない人物の方が社会性とか常識に問題があると思うが。「信頼関係」を築きたいならば、何故名刺まで受け取っておいて、まともな挨拶すらしなかったのだろうか。彼は自分の仕事が何かも理解しておらず、自主的に判断ができず、付いて回っていただけではないか。

外国の見本市を訪れ、ナマの装備に触れて、担当者から直接説明を聞くことができる機会は、近年多少は増えたものの、自衛官には殆どない。例えば防衛省の技術開発の総本山である技術研究本部ですら08年の海外視察費は僅かに92万円、筆者の年間海外取材費よりも少なかった(この件は散々筆者が報道したせいもあって、現在は数千万円程度に増えているようだ。技本の人間に会うとよく礼を言われる)。このような見本市はせっかく見聞を広める機会であり、デリゲーションとともに説明を聞けば良かったのではないか。

ところが森竹3佐は「自分は警備の担当であり、関係ない」とでも思っていたのだろう。遠くから腕組みをして見ていただけだ。だがそうであればなんで英軍のアテンドが注意するまで「迷惑な取材」を制止しなかったのだろうか。彼はどちらの仕事もしていないことになる。率直に申し上げれば会場で警備官の仕事はない。であれば、デリゲーションに付いて回るだけでは単に時間の無駄である。

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