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[岩田太郎]【黒人女子高生が白人保安官に引き倒された本当の理由】~米国の「教育」内情 その1 ~

Japan In-depth / 2015年11月10日 11時35分

[岩田太郎]【黒人女子高生が白人保安官に引き倒された本当の理由】~米国の「教育」内情 その1 ~

米サウスカロライナ州コロンビア市近郊のスプリングバレー高校で、白人の保安官代理ベン・フィールズ氏(34)が10月26日、教室退去の命令に従わない黒人女子生徒のシャカラさん(16、姓は非公開)の襟首をつかんで仰向けに引きずり倒し、暴力的に拘束する映像がインターネット上で拡散し、全米で波紋を呼んだ。校内常駐保安官のフィールズ氏は2日後に解雇処分を受けた上、米連邦捜査局(FBI)から公民権法違反容疑で捜査を受けている。
シャカラさんと、勇敢にもフィールズ氏の職権乱用に抗議した黒人女子の上級生ニーヤ・ケニーさん(18)は、「校内治安紊乱(びんらん)罪」に問われており、有罪と認定されれば、罰金1000ドルと90日の収監が課せられる恐れがある。保安官事務所は未だ2人に対する告訴を取り下げておらず、「告訴を一切取り下げ、前科がつかないよう記録を正せ」との声が、全米で起こっている。

最近、両親を亡くし、里親家庭に引き取られたばかりだったシャカラさんは月曜日の朝の数学の授業中、スマホをいじっており、教師に注意されたが操作をやめなかった。数学教師が彼女に、職員室に行くか、教室を退去するよう求めたが、従わなかった。そこで教師は「教室内の治安を乱す者がいる」として教頭を呼び、教頭も教室退去を命じたが、シャカラさんは聞かなかった。そこで教頭が校内常駐の保安官フィールズ氏を呼び、改めて退去が命じられたが、シャカラさんが拒否したため、フィールズ氏が実力行使に及んだのだ。

シャカラさんはいったん反抗を始めた手前、注意されればされるほど、周りの級友へのメンツを保つために後に引けなくなっていたとの分析がある。この経緯については他の教育者から、「この生徒は騒がず、動くのを拒否しているだけだから、私なら着席させたままにして、クラス全体に『先に進もう。後で話そうな』と語りかける。そのまま授業を続け、終了後に彼女の言い分を聞く。また、『何か事情があるなら、相談に乗るよ』と言う。教師が生徒自身をよく知るという以上の問題解決策はないからだ」などの声が上がっている。

いずれにせよ、教師たちやフィールズ氏のシャカラさんへの対応は、常軌を逸していた。彼女の弁護士は、「あのような行動を動物に対してとったなら、フィールズ氏は間違いなく(動物虐待罪で)収監されていただろう」と、米国の黒人が動物以下の扱いを受けている現状をメディアに告発した。

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