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[千野境子]【「国民的和解」の実現が課題】 ~ミャンマー総選挙とアウン・サン・スー・チー氏のこれから その3~

Japan In-depth / 2015年11月20日 7時0分

その一方で、一番の課題はやっぱり経済政策だ。残念ながらこれまでスー・チー氏から明解な考えはあまり披瀝されなかったような気がする。総選挙でも政策論争は十分ではなかった。

ミャンマーはようやく「東南アジア最後のフロンティア」と言われるところまで来た。これをさらに押し進めるためには、前回書いたテイン・セイン政権の「漸進的改革」を当面進めるのが賢明ではないだろうか。

例え本望でないとしても、ここは前政権の協力を仰ぐ。半世紀も軍主導の国だったのだから、実務のベテランはじめあらゆる人材がそこに集まっているのはやむをえない。NLDも人材を育て、発掘していかなければならないが、移行を円滑に効果的に行うためには、彼らを活用するという割り切りが必要だし、これもまた和解の一側面だと言える。

その意味ではスー・チー氏とNLDが統治能力を問われるだけでなく、総選挙に完敗した体制側もグッド・ルーザー(あっぱれな敗者)になれるかどうか試されている。

 

(この記事は【軍政の終わりと次なるステージの始まり】~ミャンマー総選挙とアウン・サン・スー・チー氏のこれから その2~の続き。本シリーズ全3回。【国民から嫌われ続けた軍政】~ミャンマー総選挙とアウン・サン・スー・チー氏のこれから その1~ もお読みください)

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