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日本企業はグローバル化できるのか? その1~クオンタムリープ株式会社代表取締役 ファウンダー&CEO 出井伸之氏 インタビュー~

Japan In-depth / 2015年12月13日 7時0分

プラットフォームは利用するユーザーがどんどんユーザーを広げていってくれるので、よりアップサイドの余地があると判断され、たとえ現在の売上は小さくてもその可能性から株価が上がるからだ。しかし、こういった一番値段がつく場所に日本企業はまだ一社もおらず、古いコングロマリットに値段がついているというのが現実だ。

-(安倍)「日本企業はどのようなビジネスモデルを構築するべきか?」

日本企業が今一番やるべきことは、既にあるプラットフォームを真似るのではなく、ユーザーやマーケットに「これはすごい」と思われるものを考え出すことだ。そういった試みはまだ日本から出ていないと思う。それは現在の日本企業でプラットフォーム企業にこれだけ値がついてることの意味を認識している人間が少ないからだろう。

リアルとバーチャルが一緒になって次の時代が来ている今、どういうビジネスモデルが必要か、そこで必要とされるビジネスモデルを新しく概念レベルから作り出すべきだが、そもそも日本の内と外でやっていることが盆踊りとサッカーぐらい違うというのが現状だ。

-(安倍)「そのような状況で日本企業は変われるのか?」

非常に難しいが、結局は日本企業の大量生産型、仕様が決まったものを大量に作るというビジネスモデルが人を抱えすぎて、大企業で安定した仕事をしている人たちが多過ぎるのが問題だ。低ROE、低株価、でもみんな幸せ、というモデルもある程度は続くが、グローバルな競争では通用しない。それが変わるにはあと20年はかかると思う。

その中で生き残る企業は超グローバル企業か、コンパクトな企業の二種類だろう。超グローバル企業は、インターネットの外部性や規模のメリットを享受できるし、コンパクトな企業は細かなアジャスト、アダプトが上手く出来る。ただ、古い人間がいる会社では難しいだろう。

ソニーは今60歳が一番上の役員で、みんな54、5になった。その下にいるのは40代で、もう少しすると本当の変化というか全然違う概念が出てくると思う。デジタルネイティブを、大学生の時にインターネットに触れたかどうかという基準で考えると、ちょうど37、8歳が一番上だ。

とにかく企業に限らず今の日本のシステムはものすごく古い。そして変化を内発的に起こす必要がある。現在2020年のオリンピックに注目が集まっており、それまでは暫く今のやり方で生き残ることが出来るだろうが、オリンピック後の2030年を見据えて、どのような経済・社会システムを実現するのかを検討するべきではないか。

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