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[神津多可思]【事態が進展する機運が生まれる】~特集「2016年を占う!」日本経済~

Japan In-depth / 2015年12月22日 23時0分

反対に、今が大丈夫だからこれからも大丈夫という、根拠なき楽観もまた、策を考えるに当たっては慎むべきものだ。現在の財政赤字は、90年代初のバブル崩壊後、四半世紀にわたって積み上がってきた。これからまだ高齢化が進むことを考えると、問題解決にそれ以上の時間がかかるのも仕方がない。市場経済や民主主義のメカニズムの下で、そうした長い時間がかかる事柄について正しい決定を下すには、難しい面もあるが、私達にはそれ以外の意思決定メカニズムはない。どううまくさばくか、社会としての智慧が求められている。

とくに、2%のインフレに進んでいくのであれば、その下で1%未満の長期金利がいつまでも維持可能なはずはない。長期金利上昇を飲み込めるような備えが、歳出予算の面でも、金融システムの面でも必要だ。それらが不十分だと、長期金利がオーバーシュートするリスクも高くなる。そして何にも増して重要なのは、現在、将来世代から前借をしている所得をどのように返済し、少しでも良い社会を次の世代に引き継ぐかというビジョンだ。

私達に残された時間がどのくらいあるのか、それは分からない。しかしことが前に進むとされる丙申(ひのえさる)の新しい年であるからこそ、長い目でみてという基本に立ち帰って、正しい判断を心掛けたいものだ。

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