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[比嘉陽子]【アフリカ市場:現地に情報を求めよ】~特集「2016年を占う!」アフリカ経済~

Japan In-depth / 2015年12月23日 11時0分

アフリカの特徴の1つは、その平均年齢の若さにある。しかも、人口増加に伴い、日に日に若返っている。コカ・コーラで育った若者にとって、コーラの味は、イコールしてコカ・コーラの味となる。海外に長期赴任の経験がある日本人ならば、チャイナショップで購入した中国醤油の味に違和感を覚え満足できなかった経験はないだろうか。これは飲食に限った話ではなく、全ての製品が彼らの(特に若者の)経験と共感を形作る。先行者優位の法則である。

アフリカは、日本に対してとても友好的であり、またMade in Japanに対する信頼は大変に厚い。日本は、物理的な距離も手伝って、奴隷貿易や植民地化など、アフリカに対して悪いことをした歴史がない。こういった意味では、日本企業はアフリカ市場において強みがあるようにも思える。ただし、一方で日本人が圧倒的に不利なのは、そのアフリカ経験の欠如である。

例えば、あなたが日本のタイヤのメーカーに勤めていて、アフリカのある国への進出を検討しており、現在国民の足として使われているタイヤがどの会社のどのブランドで、摩耗状況や買い替えのタイミングはどうであるのか知りたいと思っているとしよう。きっと日本国内に居ては、信憑性のあるデータは入手できないだろう。アフリカに精通した調査会社に調査を依頼するのでなければ、自社の人間をアフリカに送り込むことになる。さぁ、どのように調査をするのだろうか。

マラウイの場合、この調査に最も向いている場所は、警察の検問所だろう。内陸国であるマラウイでは、治安や密輸・密入など様々なリスクへの対策として、日本で見られるような抜き打ちの検問だけでなく、県境など大きな区域ごとに検問所が設置されており、ほとんどの車両は一時停止を求められるし、全ての車両がいつでも停止できるスピードまで減速して通過する。タイヤのブランドや状態など、生きたデータを手に入れるためにはここが最適なポイントの1つである。調査請負会社のスタッフではなく、整備に見識のある自社の社員であれば、それぞれのタイヤがどのように日常点検されどのようなメンテナンス状況であるのかまで読み取ることができるだろう。

しかし、アフリカの地を踏んだことのない社員が、実際に走行に使われているタイヤが検問所で目視できること、または会議で必ず清涼飲料水が配布されることなど、どうやって知るのだろうか?当たり前過ぎるかもしれないが、その解は現地に詳しい人物の登用にある。現地人の方が尚良い。私、個人的にはアフリカの最大の魅力は、その人材にあるのではないかと思っている程だ。彼らは、日本人と比較して大変に起業家精神にあふれ、クリエイティブ能力が高い。課題やできない理由を並べ立てるのではなく、どのようにしたら実現できるかについて思考する。

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