【軽減税率の目的は“痛税感”緩和】~公明党税制調査会長斉藤鉄夫氏に聞く~
Japan In-depth / 2015年12月26日 12時20分
公明党で税制調査会長の斉藤鉄夫衆議院議員を迎え、軽減税率を中心に話を聞いた。例年より4日ほど遅れ、12月14日に与党の税制改正大綱がまとめられたばかりだ。「大変な作業だったが、その分ほっとしている」と斉藤氏は話した。
軽減税率の対象が、食料品全体となったことの決め手について細川氏が聞くと、「端的に言うと、私たち現代人の食生活は加工品に頼っている。特に低所得者層ほど、加工品に頼る割合が高い。このような現実から、軽減税率の対象にするのは加工品を含まなければ意味がない。」と、斉藤氏は説明した。
では何故トイレットペーパーなどの日用品や光熱費が含まれないのか。「軽減税率の目的は大きく分けて二つ。一つ目は低所得者対策。低所得者の負担感の大きいものに対して軽減税率を適用する。もう一つは痛税感の緩和。」と斉藤氏は述べた。痛税感の緩和というポイントが、食料品のみに適用された理由の一つだ。
国の収入を支えている大きな柱は消費税である。今後、さらに少子高齢化が進み、消費税に頼る割合は大きくなる。「この消費税を国民が支え、理解していかなければならない。」と斉藤氏は説明し、そのためには国民の不満感を減らすために、「毎日購入するもの」に対して軽減税率を適用することが重要だという考えを示した。その上で、「我々も、初めから光熱費や生活必需品を排除しようと決めているわけではない。まずは食料からだと議論している。」と述べ、今後更なる検討の余地があることを示唆した。
書籍や雑誌には軽減税率は適用されず、宅配の新聞だけとなった。ヨーロッパやアメリカでは、新聞・書籍・雑誌は軽減税率の対象となっている。彼らの基本的な考え方は「知識には課税しない」ということだ。斉藤氏は今回、新聞だけ先行する形になった理由について①宅配の定期購読は選別しやすい、②新聞は裕福でない家庭でも裕福な家庭も購読しており、収入に対して新聞の占める割合は低所得者ほど高いため、逆進性を緩和する効果がある、③有害図書を軽減税率の対象にするわけにはいかない、と3点挙げた。三つ目の点について、「それ(有害図書)をどう排除するかということについて、新聞のように外からはっきり分かる基準がなかった。業界が基準を作るのを待って議論の対象にしたい。」と話し、今後基準が出来れば、アメリカやヨーロッパと同じように、雑誌や書籍についても軽減税率の対象になる可能性があることを示唆した。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
立民代表選、経済論戦が本格化 消費税、利上げに違い
共同通信 / 2024年9月18日 17時10分
-
新聞は「10%にしたらいいですよ」 軽減税率めぐる議論で立憲・泉代表主張、「よく言った!」の声
J-CASTニュース / 2024年9月10日 11時10分
-
立民代表選4氏、消費税で隔たり 減税否定、食料品「ゼロ」に言及
共同通信 / 2024年9月9日 19時17分
-
パワフルに「格差是正」するのは所得税か消費税か 岸田首相が避けた「税制論議」新首相はどうする
東洋経済オンライン / 2024年9月3日 8時30分
-
うっかり忘れで思わぬ事態に…不動産投資にかかる税金、「購入時・運用中・売却/相続時」におけるそれぞれの注意点
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月22日 17時45分
ランキング
-
1好みの女子大生を尾行、袋かぶせ首絞める 39歳会社員逮捕
産経ニュース / 2024年9月21日 10時33分
-
2西、東日本は猛暑収まるも蒸し暑い 北日本は肌寒い一日
ウェザーニュース / 2024年9月21日 7時10分
-
3石川県輪島市・珠洲市・能登町に大雨特別警報…「数十年に一度の重大な災害の危険」直ちに身の安全確保を
読売新聞 / 2024年9月21日 11時6分
-
4山形新幹線、大雨で一部運転見合わせ
共同通信 / 2024年9月21日 9時49分
-
5「我慢の限界」高台寺岡林院、マナー悪化に注意喚起 客連れカメラマンが強行撮影...欄干壊れる被害も
J-CASTニュース / 2024年9月21日 7時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください