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[遠藤功治]【ZMP上場前夜、自動運転元年 その1】~特集「2016年を占う!」自動車業界~

Japan In-depth / 2015年12月28日 18時0分

[遠藤功治]【ZMP上場前夜、自動運転元年 その1】~特集「2016年を占う!」自動車業界~

−2020年7月 東京

今日は2020年7月28日、先週から始まった東京オリンピック、その陸上競技を観戦するため、お台場の高層マンションから新国立競技場に向かう。先日買ったi-Phone 9に向かって“Uber呼んで!行き先は新国立競技場”と囁く。携帯はもう大半がウェアラブル、音声認識・顔認証になっている。携帯が本人の音声を認識した後、UberXと呼ばれる完全自動タクシーを呼ぶ。

発信地は自動登録され、携帯画面に車が到着するまで1分30秒、千駄ヶ谷までの所要15分28秒、到着予定時刻は午前10時21分35秒、推定料金353円と提示される。まもなく車が予定時刻ちょうどに到着、携帯を車のドアに近づけると自動的に開く。中に乗りこむ。ハンドルもアクセルもブレーキぺダルも無い、勿論、運転手もいない、完全無人の車内。夏風邪を引いたのか、乗車時の体温が平熱よりやや高い37.6度と、前方のヘッドアップディスプレイに表示されるが、風邪薬の成分を含んだ風がIOTで繋がれたAIによる指示で、エアコンから自動的に吹いてきて、外苑に着くころには平熱に戻っている。

台場から外苑までの首都高は、1車線がタクシー専用レーンの設定、周辺を見渡すと未だに人間様が運転しているLevel-2までの旧世代車も多いが、ステアリングから手を離して人が乗っているLevel-3の半自動運転的な車が大半だ。想定時刻から3秒遅れて外苑の新国立競技場に到着、料金は事前表示通りの353円、タクシー料金も昔に比べて価格破壊的に安くなった。料金は当然クレジットカード自動引き落とし、最近は現金を持ち歩くことも少なくなった。3時間後に同じ場所に戻ってくるようにと車に囁く。自動的にドアが開いて下車、車はそのままどこかに走って行った。

競技場まで約500mの道のりだが、個人間シェアリングのセグウェイスタンドから、昔に比べれば2回りも小さくなった新型セグウェイに乗って競技場に向かう。これもi-Phone 9で予約・課金・解錠のシステム。5年前のドッタンバッタンでこの新国立競技場に屋根は無いが、やはり5年前のVWディーゼル排ガス不正問題後に制定された新排ガス規制により、東京の空は5年前に比べPM2.5の濃度が100分の一以下に激減、良く晴れて絶好のオリンピック観戦日和となった。

ここからあと20年後、2040年に構想が持たれている初の月面オリンピックが開催される頃には、所謂“Singularity”を迎えている筈。その時点で、AIは人類の知能を超え、車の運転は全て完全自動のLevel-4となり、運転免許証なるものが廃止となる・・・かも?

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