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[清谷信一]【納税者も驚愕、陸自衛生学校体育館狂騒曲 その5】~「コンサートごっこ」をしている場合ではない~

Japan In-depth / 2016年1月8日 7時0分

学校教育は年度計画のカリキュラムに従って行なわれているのであって、各学校が計画を立てやすいよう、学校長のスケジュールを組むための学校長等会議の予定の方が先に決まっているのが当然ではないか。

もし回答のとおり、体育館落成式の日程の方が先に決まっていたとしても、当事者意識としてどうなのだろうか。国の安全保障体制の大転換期に、その重要な部分を担う「自衛隊の医療体制が不備である」との批判を受けている最中であるにも関わらず「学校長等会議」よりも体育館落成式を重視するとはいかがなものだろうか。

衛生科職種が批判を受けている最中なのであれば、その教育の最高責任者たる衛生学校長は、学校長等会議の最初に衛生科職種としての改善の方針等を、各学校長を前にして述べるべきではないのか。衛生学校長たる松木泰憲陸将補の学校長、そして将官としての見識が疑われる。

自衛隊中央病院の意識も問題だ。3月18日にチュニジアの首都・チュニスのバルド国立博物館で発生した、外国人観光客が武装した男2人組に襲われた銃乱射事件にて、当時自衛隊中央病院に勤務していた医師、結城法子3等陸佐が負傷したことが報道された。この時は自衛官である医師が負傷したことそのものも話題になったが、当の結城3佐が出国前に申請を出さずにイタリア・ジェノバ発の7泊8日のクルーズ旅行に出かけたことが発覚し、停職2日の懲戒処分を受け,4月18日付で依願退職したことも報じられた。この事件から半年程度の時期に公私混同ととらえられかねないコンサートを開催することが適切であるとは思えない。

以上のことから、自衛隊中央病院、陸自衛生学校ともに当事者能力を疑われても仕方あるまい。筆者はコンサートの翌日に防衛大臣質問にてコンサートの件を尋ね、防衛省とのやりとりや経過についてブログにアップしたところ、直ちにコンサートを開催したことへの批判やその必要性について疑問に思う声が寄せられた。コンプライアンス違反ではないか、との反響も多く寄せられた。防衛省 防衛監察本部ではコンプライアンスガイドブックを配布しており、その中にはコンプライアンス・テストとして、次の内容が書かれている。

【あなたの行為は】
1 家族に胸を張って話せますか?
2 見つからなければ大丈夫と思っていませんか?
3 国民としてニュースで見聞きしたらどう思いますか?

また現役の隊員からも石川元校長に対する意見も寄せられた。2代前の後藤達彦校長(2007.12.3 ~ 2010.3.31)は陸自衛生科改善のための情報発信を熱心に行なったし、1代前の東威志校長(2010.4.1 ~ 2013.8.22)は第一線救護の改善に熱心だったと聞く。

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