[清谷信一]【納税者も驚愕、陸自衛生学校体育館狂騒曲 その5】~「コンサートごっこ」をしている場合ではない~
Japan In-depth / 2016年1月8日 7時0分
石川元校長(2013.8.22 -~2015.8.4)はリハビリテーション科の医師であることから陸自衛生科の改善について期待が寄せられていたそうだ。傷痍軍人にとって社会復帰のためのリハビリテーションは重要である。パラリンピックはそもそも戦争で負傷した兵士たちのリハビリテーションとして始められたものであることから、リハビリテーション科の石川元校長が陸自衛生の改善をしてくれるのではないかと期待した隊員も多かったそうだ。
しかし、石川元校長が改善に取り組んだという目立った話は聞かれず、今回のコンサートの一件は期待が外れた気持ちをさらに増大させられたという面もあるという。(学校長の任期等はWikipediaより引用)
筆者がこの記事で取り上げたいのは、コンサートの内容についてではない。この時期や情勢における自衛隊中央病院や陸自衛生学校の当事者としての意識欠如である。
安保法制が激しく議論され、この法案が通ることは予定されていた。本来ならばこの法令が執行される来年3月以降速やかに、駆けつけ警護が実施できる体制を構築しておくべきだった。だが中谷防衛大臣は駆けつけ警護などの実施可能な時期を国民に明示していない。それは衛生を含めて態勢が不備であるからだろう。現状を見る限り、駆けつけ警護が可能となるのはいつになるか分からない。
その渦中の当事者である陸自の衛生関係者が、本分を果たすことを怠り、「コンサートごっこ」をしている場合ではない。少なくとも筆者はそう考える。
(この記事は、【納税者も驚愕、陸自衛生学校体育館狂騒曲 その4】~「謝礼は互助会等から支出】の不思議~ の続き。
本シリーズ全5回)
トップ画像:体育館に設けられたコンサート会場と聴衆 ©清谷信一
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