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[宮家邦彦]【中国激怒、北朝鮮の核実験】~越えてはならない一線越えた~

Japan In-depth / 2016年1月13日 9時15分

[宮家邦彦]【中国激怒、北朝鮮の核実験】~越えてはならない一線越えた~

 元旦から嫌な事件が続いている。東アジアでは6日に北朝鮮が四回目の核実験を実施。ピョンヤンは「水爆」と誇示するが、より現実的な脅威は核弾頭の「小型化」だ。ノドンミサイルに搭載可能となれば、日本に対する真の具体的脅威となり得る。この意味でも、昨年末に「日韓合意」が成立したことは大きかったといえるだろう。

この核実験の真の敗者は中国だ。政府関係者は「(北朝鮮は)越えてはならない一線を越えた」と激怒したそうな。「中国の面子が潰れた」で済む話ではない。他方、中国は北朝鮮を見捨てることなどできないはずだ。中国国内経済が厳しい今、北京に特効薬はない。習近平氏がこの問題で過剰反応しなければ良いのだが・・・。

ドイツでも忌まわしい事件が発覚した。昨年大晦日から元旦にかけてケルンなどドイツ各地で女性への強盗や暴行が多発した。案の定、その容疑者の多くが中東・アフリカからの難民申請者だったというのだ。これで難民に対するドイツの国民感情は悪化し、受け入れ反対派が一層勢いを増すだろう。

現場の一つはケルン大聖堂近くの中央駅周辺、新年を祝う群衆にまぎれた犯行だった。先週、ケルン警察トップが更迭されたが、これだけで幕引きは無理だろう。昨年ご紹介したペギーダ(西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人)などもケルン中心部で大規模デモを行い、一部が暴徒化して警官隊と衝突する騒ぎが起きている。

○欧州・ロシア

ドイツではつい最近まで難民受け入れでは歓迎ムードが支配的だったが、ドイツに入った難民は昨年1年間で過去最多の110万人。これで犯罪が起きない方が不思議なくらいだ。理想と現実の乖離は大きい。ドイツもようやく英仏並ということだが、このような形でメルケル人気が翳ることは欧州全体にとって良い兆候ではないだろう。

〇東アジア・大洋州

12日に外務次官級の第14回日韓ハイレベル経済協議が開かれる。中国経済の悪化が日韓関係に何をもたらすか。16日に台湾総統選・立法委員選があり、筆者も出張してくる。一方、16-18日には北京でAIIB発足式典と第1回総会が予定されている。中国の外貨準備の実態が報じられる通りなら、式典どころではないはずだが・・・。

〇中東・アフリカ

先週先鋭化したサウジとイランの対立は二週間目に入ったが、これまでのところ双方とも一定の自制が働いているようだ。これには米国の圧力もあっただろうが、それよりも筆者が注目するのは原油版MAD(相互確証破壊)である。一方が原油の流れに手を付ければ、相手も必ず報復するからだ。

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