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[上野きより]【アフリカが熱い!人類に残された最後の成長大陸】~特集「2016年を占う!」アフリカ経済~

Japan In-depth / 2016年1月14日 11時0分

[上野きより]【アフリカが熱い!人類に残された最後の成長大陸】~特集「2016年を占う!」アフリカ経済~


上野きより (ジャーナリスト/フォトグラファー)


日本を含め先進国に住む多くの人々にとり、アフリカのイメージはいまだに「伝染病」、「紛争」、「飢餓」、だ。確かに、西アフリカでエボラ出血熱が発生したのは一昨年のことであるし、南スーダンは昨年まで紛争状態にあった。エチオピアも昨年、過去30年間で最も深刻な大旱魃に見舞われ、今年は1000万人もの人々が食糧支援を必要とする状況になっている。

こうした負の側面はいまだに存在する一方で、現在、世界の中で確実に大きな成長を遂げているのもまたアフリカである。サブサハラ(サハラ以南)のアフリカ諸国(エジプトやモロッコなど北アフリカ諸国を除く約50カ国)は毎年4—5%の率で着実に成長を続けており(エチオピアはほぼ10%の成長を10年近く続けている)、中国やロシア、ブラジルなどこれまで新興国と言われていた国々の成長が減速、あるいはマイナスになる中、その輝きは一層増している。そしてアフリカ人自身も「大きな成長のポテンシャルを秘めた人類最後の大陸」と言われる自分たちの可能性に自信をつけ始めている。

この大陸へ各国がこぞって進出するなか、日本はアフリカへの投資、進出で他国に比べ出遅れていると言われている。(アフリカに住む日本人の数は約8,000人、中国人は100万人を超えたと言われている)。実際に暮らしてみてそう感じることも多いが、今年、日本政府主催のアフリカ会議(Tokyo International Conference on African Development: TICAD)の6回目が会議の1993年の初開催以来、初めてアフリカ(ケニア)で開催されることもあり、日本でもアフリカが注目され、アフリカ進出の機運が高まる年となるだろう。

実際、アフリカの成長ぶりには目を見張るものがある。昨年末、3年間国連で働いていたエチオピアに4カ月ぶりに訪れ、その変貌ぶりに驚いた。首都アディス・アババではほんの半年前までは建設を経て試行運転中だったライト・レール(Light Rail: 1両ないし数両編成の列車が電気運転によって走行される。日本では江ノ島電鉄がそれに当たる)が走り出していて、町の風景ががらっと変わった。

サブサハラでは南アフリカを除いて初めてとなる、全長32キロメートルのライト・レールである。線路を敷いたのも中国、走る電車ももちろん中国製。運転もネクタイ姿の中国人が主運転手となり、その傍らにエチオピア人ドライバーが立ち、真剣な顔つきで運転を習っている。電車を見たことも運転したこともないエチオピア人にとり、運転技術の習得は重要である。現在はアディス・アババ内で運行するこの電車だが、国の計画では2025年には国内を5000キロの鉄道で結び、そしていずれはジブチやスーダンと結ぶという壮大な構想である。

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