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[林信吾]【経済効果の二都物語:オリンピックの6個目の輪 その4】~経済・財政から見る五輪~

Japan In-depth / 2016年1月18日 11時0分

なにより、昼間も薄暗くて治安が悪く、地元の人たちでさえあまり近寄らなかった埠頭の一帯が再開発され、ヨットハーバーと、お洒落な飲食店が軒を連ねるリゾートビーチに生まれ変わったのである。

これによりバルセロナは、首都マドリードをもしのぐ、スペイン最大の観光都市の地位を確立した。現在、我々日本人が観光に訪れるバルセロナの姿は、五輪以降に出来上がったものなのである。人が集まれば物やカネも集まる道理で、地中海最大級の貿易港としても復権を果たした。

その経済力を背景に、バルセロナを中心とするカタルーニャ地方一帯が、独立を指向して同国の政治を揺るがしているわけだが、ともあれこの大会については「経済効果は金メダル級」との評価が、今も揺らいでいない。

このように,中長期的な経済効果を勘案したならば、戦後開かれた五輪の大半は、成功を収めているとの見方もある。1968年メキシコシティ然り、1988年ソウル然り、そしてなにより、1964年東京然り。ただ、そうした実例をもって「五輪を開催すれば儲かる」と即断してよいか否かは、話が別である。

経済効果を勘案してもなお、赤字になった五輪が戦後三回ある。

前述の1976年モントリオール、2004年のアテネ、そして2012年ロンドンだが、そのように報じた『ファイナンシャル・タイムズ』紙によれば、ロンドン五輪はたしかに赤字であったが、

「国を挙げての大宴会を開いたと思えば、甘受できないことはない規模」であるそうだ。この話は、次回もう少し詳しく見る。

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