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補正予算が第2の防衛予算に~政権批判しない野党とメディア~

Japan In-depth / 2016年1月25日 7時0分

この防衛予算のありようを国家予算全体に当てはめてみよう。先に成立した補正予算は総額3兆3213億円だ。これの本来の意味での補正予算の比率が防衛と同じであると過程するならば、本来の意味での補正予算は1兆2620億円に過ぎない。残りの2兆592億円は本来来年度の予算に組み込むべき金額となる。

来年度の政府予算は過去最大の96兆7218億円だが、この2兆592億円がオンされれば、実質的な来年度国家予算は約2パーセント増えて98兆7810億円となる。つまり、殆ど100兆円に近くなる。しかもこれまた人件費や国債利払いなどの固定費を除けば、そのパーセンテージは更に大きくなる。

ところが約2兆600億円という巨額の税金の使い道が、国会でまともに審議されているとは言いがたい。政策は最終的に予算に反映される。政策を具現化したものが予算とも言える。誤った予算の総額を元に論戦をしても意味がない。

本来あるはずの2兆600億円が事実上無いものとされ、第二の予算と化してGDPの嵩上げのバラマキに使われている。だが既に歴史が証明しているように公共事業など税金のバラマキは乗数効果が低く、民間の需要を拡大する呼び水になることはない。単に国の借金を増やすだけだ。現在の1,000兆円を超える巨額の国の借金はそのようなバラマキによって拡大されてきた。今年も補正予算の名を借りて2兆円以上のバラマキが行われ、国の借金をふやすことになるだろう。これは極めて悪質な印象操作である。

ところが不思議なことに、この「補正予算の第二予算化」を国会議員も新聞などのメディアも全く問題にしていない。補正予算を精査すれば、本来本予算で要求すべき予算の比率はもっと高いかもしれない。そうであれば来年度の国家予算は100兆円の大台を超えている可能性もでてくる。そうであれば、メディアで大きく取り上げられて、政府の財政規律やプライマリーバラスの適正化のへの姿勢が大きく批判される可能性もでてくるだろう。

当事者能力が足りないのか、あるいは「低減税率の対象にしてもらった恩義」があるためか、新聞は政府の「不都合な真実」について書かなくなっているではないか。このようないい加減な税金の使い方に対して納税者はもっと敏感になるべきだ。このような事実を報道しない新聞は読者の信用を更に失って読者数を更に減らしていくだろう。

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