NewsPicks新コメントポリシーの衝撃~ウェブメディア選別の時代到来~
Japan In-depth / 2016年1月27日 11時11分
安倍宏行(Japan In-depth 編集長・ジャーナリスト)
「編集長の眼」
ウェブメディアの悩みの一つに「コメント」の問題がある。記事に対して読者がコメントできる仕様になっていると、誹謗中傷や、自分の宣伝などで溢れかえるからだ。そうした中、経済ニュースに特化したウェブメディアNewsPicksが1月25日、新しいコメントポリシーを発表した。これまでNewsPicksでは、すべてのユーザーのコメントが表示されている。しかし、2月から、以下の条件を満たすコメントだけが表示されるようにすると発表したのだ。
・実名が登録されているユーザーのコメント
・自分がフォローしているユーザーのコメント
つまり、匿名の人やニックネーム(ペンネーム)を名乗っている人のコメントは、それらの人をフォローしていない限り、コメント欄には表示されないため、自分の意見を他人に読んでもらう確率は著しく低くなってしまう。
これに対し、賛成反対、意見が入り乱れ、NewsPicksのコメント欄は侃々喧々諤々の状態になっている。そもそも、NewsPicksはユーザーが匿名であろうとペンネームであろうと自由に発言できる場を提供することでユーザー数を伸ばしてきたし、それで支持されてきた側面がある。著名人だろうと、無名の人であろうと、専門的知識のあるユーザーのコメントが増えるに従い、ユーザーの満足度も上がってきたと思われる。
一方で、これはウェブメディアの宿命でもあるのだが、ユーザー数が増えてくると、質の低いコメントも増えたり、コメント欄が荒れたりするのは、ある程度仕方のない事である。筆者は、去年10月からプロピッカー(公式コメンテーター)としてコメントを投稿しているが、私が見る限り、極端な誹謗中傷合戦は見たことがない。個人的にもそうしたコメントをもらったこともない。(気づいていないだけかもしれないが)
しかし、今回のプレスリリースで、運営側は「NewsPicksでは良質なコメント空間を実現していくためには、実名による「責任あるコメント」が大切だと考えています。」とし、かつ、「今後、NewsPicksでは実名での利用をより積極的に推進し、多くの実名ユーザーがコメント欄や記事投稿機能を活用することで、さらに多様で良質な情報が発信・集積される場を目指していきます。」と宣言しているのを見ると、匿名ユーザーの中に問題のある発言をする人がいるのかもしれない。しかし、運営側はそこまで具体的に踏み込んでいるわけでもないので、何故この時期に事実上実名投稿を推奨するのか、釈然としない人も多いようだ。
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