女性が働き続ける為の環境整備、進めよ~社会全体の意識の向上が不可欠~
Japan In-depth / 2016年2月1日 11時34分
Japan In-depth 編集部(Mika)
働きたいが様々な理由によって働けない、働きづらい。
世界的にもダイバーシティの促進に注目が集まる中、日本でも、女性が働き続ける為の環境整備に注目が集まっている。Japan In-depth編集部取材の記事でも紹介された様に、社会で活躍する女性が忘れがちな女性特有の体の不調には、働く当事者である女性同様、行政や企業側、国民が一体となり課題改善にと取り組む必要があるのではないか。
そうした問題意識の下、1月28日に開催された東洋経済新報社主催のフォーラム、「働く女性の健康増進のためのフォーラム」〜女性が働き続けるための環境整備とは〜では、民間シンクタンクの医療政策機構の代表者、医師、また企業の代表らが集まり、女性の健康増進に向けた様々な課題の解決のためのアプローチが発表された。
「世の中には色々な人がいて、色々なニーズや問題意識を持つ中、それぞれの人がそれぞれの立場や得意な分野で活躍できる社会がダイバーシティではないか」基調講演を行った東京大学経済学研究科の伊藤元重教授は、ダイバーシティこそが、当フォーラムのキーワードとなると強調した。
次に、日本医療政策機構(HGPI)の小山田万里子氏と宮田俊夫氏は、女性の健康増進が社会にもたらす影響について社会経済的側面から検証した調査結果を発表した。まず小山田氏は、社会全体で働く女性の活躍を推進する機運が高まりつつある一方で、「女性の健康面への配慮が不十分ではないか」と指摘した。
特筆すべきは、国内の婦人科系疾患を抱える働く女性の年間の医療費支出と生産性損失を合計すると6.37兆円にものぼるという当機構の試算である。現状を改善していく為には、婦人科系疾患の知識の普及と疾患の減少促進が必要である。
その上で機構は、以下の対策法を挙げた。
婦人科受診や検証受診率の向上教育(予防、治療法、妊娠・出産等を含めたキャリア・プランニング等)行政・企業などの「健康経営」の促進女性の検診受診率を引き上げていく為に、教育や啓発が必要なことは言うまでもないが、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践する、いわゆる「健康経営」に取り組む企業は今後ますます注目されるだろうし、市場でも評価されていくだろう。
次に、産婦人科医の宋美玄氏が、女性のライフステージと健康についての正しい知識と情報提供のあり方について語った。女性のライフステージは大きく分けて思春期、成熟期、更年期、老年期と4つあり、それぞれのステージで、ホルモン周期の変動が大きく、それらが及ぼす健康トラブルが生活や仕事に深く影響しているという。
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