1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 政治

橋下後の維新と大阪自民の苦境~大阪・泉州の町長選に見る~

Japan In-depth / 2016年2月5日 18時0分

 

大阪維新の藤原氏が、次点の無所属新人に約1600票差をつけて初当選、自民公認候補は、4位だった。

藤原陣営の選対本部長を務めた国政政党「おおさか維新の会」の丸山穂高衆院議員(大阪19区)は、選挙後、「風任せでも橋下氏任せでもない選挙で勝てると証明できた」と語ったという。

余談だが、この丸山氏は、橋下氏が旧日本維新の会を立ち上げ、初めて国政に進出した平成24年の衆院選で初当選した「橋下ベイビーズ」の1人で、東京大学経済学部卒、経済産業省勤務、松下政経塾(30期)を経て、国会議員になったという立派な経歴の持ち主だ。

一方、昨年6月には、政界引退を表明した後も、安全保障関連法案について持論を展開していた橋下氏に対し、「言うだけならただの評論家」とツイッターで物申し、橋下氏から「国会へ行って勘違いしているのでは?」と厳しい叱責を受けたこともある。

さらに昨年末、東京都内で飲酒した後に複数の男性らともみ合いになり、相手の手を噛むトラブルを起こし、自身も大けがをしていたことが1月に発覚した。党から厳重注意処分を受けた直後の選挙だっただけに、今回の選挙結果には、さぞ胸をなで下ろしたことだろう。

閑話休題。今回の町長選の結果を、橋下氏の政治家引退前の平成26年12月の衆院選での同町内の選挙結果と比較してみた(維新は分裂前の「維新の党」)。

 

<小選挙区>

谷川とむ(自民)6531票(得票率 34.67%)

丸山穂高(維新)6381票(同 33.87%)

長安豊(民主) 4383票

北村みき(共産)1542票

 

<比例代表>

維新の党   6052票(得票率 32.13%)

自由民主党  5655票(同 30.02%)

公明党    2428票

民主党    2046票

日本共産党  1959票

次世代の党   288票

社会民主党   195票

生活の党    171票

幸福実現党    41票

 

地元の利害が直結する町長選と、衆院選では事情は異なるとはいえ、維新が若干減らしながらも得票率3割を保ったのに対し、自民は3割超から10%台にまで得票率を落としている。

大阪の自民の苦境ぶりは、今夏の参院選大阪選挙区の対応をめぐってさらに浮き彫りになっている。候補者が決まらないのだ。

改選数が3から1増え4となった同選挙区では、昨年11月の府知事、大阪市長のダブル選で大勝した大阪維新が、参謀役として政策立案の中心的な役割を担った浅田均府議に加え、もう1人を国政政党「おおさか維新」の候補者として擁立し、2議席の獲得を目指す方針だ。

現職の議席死守を目指す公明、民主のほか、平成25年の参院選で議席を獲得した共産も女性新人を擁立する方針で、すでに動き出している。

一方、自民は、現職の北川イッセイ元国交副大臣(73)にも公認が出ておらず、2月3日時点でまだ擁立する候補が決まっていない。参院選の45選挙区のうち、自民候補が未定なのは、大阪選挙区だけという異例の事態に陥っている。

むろん、大阪維新にとっても、勢いをどこまで持続できるかは、不透明だ。

実は、前述の熊取町長選で次点に入ったのは、無党派で、最年少36歳の新人候補だった。維新でも、自民でもない民意の受け皿になったとみることもできるだろう。

いずれにせよ、大阪の自民、維新の双方にとって、結果を見通せない今回の参院選が一つの正念場になることは間違いない。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください