米大統領選:共和党、ますます予定不調和~米国のリーダーどう決まる? その3~
Japan In-depth / 2016年2月11日 11時26分
大原ケイ(米国在住リテラリー・エージェント)
「アメリカ本音通信」
ニューハンプシャー州の大統領予備選挙(プライマリー)が9日、終わった。下馬評通り、共和党はドナルド・トランプ、民主党はバーニー・サンダースが勝ったので、この両トップの結果については何のニュース性もない。この結果が今後、他の州で行われる大統領候補戦を予見するものになるかといえば、それもない。
というのも、ニューハンプシャーの土地柄が他のアメリカの州に比べてあまりにも特異だからだ。住民の殆どが白人で、州のモットーが”Live free or die(自由に生きられないなら死んだ方がマシ)”という過激なもので、最後まで自分がどの候補に一票を投じるかを決めないことで知られ、州内の共和党支持者と民主党支持者が拮抗する州だ。
民主党側では、当初から無敵の有力候補と目されてきたヒラリー・クリントンが苦戦していると見る向きもあるだろう。だが、ニューハンプシャー州といえば、サンダース候補が上院議員を務めるバーモント州のお隣、つまりは地元だ。サンダースがミレニアム世代と呼ばれる若い世代の支持を集めているように報道されているが、この層は集会に集まってワーワー騒ぐのは好きでも、どーんと献金できる資産もなければ、地道に草の根で投票者登録運動を続けられるかというと、心もとない。「対戦候補を攻撃したりせず、正々堂々、公明正大に選挙運動をする」と公言したサンダース候補を応援するあまり、ヒラリー支持の著名人をネットで攻撃するなど、問題も報告されている。
共和党では、いよいよドナルド・トランプが大統領候補となる第一歩を踏み出したのか、それともニューハンプシャーをきっかけに主流派の候補が絞られていくのか、2位以下の候補の成績と今後考えられる展開を見てみよう。
テッド・クルーズ:
指名争いの火蓋を切ったアイオワ州で勝利を収めたが、トランプ以上に共和党内で嫌われているのがクルーズだ。頭が切れて弁舌さわやか、学歴も立派なエリートだが、その彼がよき夫、よき父であることをアピールし、保守的な福音派キリスト教徒の支持を取り込もうとすればするだけ「腹黒い」という印象を持たれてしまう。アイオワの党員集会でも、失速中だった対立候補の1人、ベン・カーソンが選挙戦から撤退するので、代わりに党員集会ではクルーズ候補を推すように、とデマを流したと糾弾された。
ジョン・ケーシック:
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