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トランプ候補、また排外主義 その2 米国とは何か、米国人とは誰か

Japan In-depth / 2016年2月12日 18時0分

こうしてトランプ氏は意図せずして、「米国とは何か、米国人とは誰か」という問題を深く考えさせる契機をも作った。

オバマ大統領が米国生まれではないというのは、トランプ氏お得意のウソだが、その出生地であるハワイがなぜ米国なのか。ハワイが19世紀末に米国に併合された際に米国が用いたのは、ロシアのプーチン大統領が2014年にクリミア併合に使った「自国民保護と現地からの併合要請」という口実と瓜二つだ。

米国は現在、ロシアのクリミア併合を国際法違反として認めていないが、その論理でいけば、米国のハワイ併合も無効であり、そのハワイで生まれたオバマ大統領は、米国生まれとは言えない。事実、多くの先住ハワイ人は米国支配を正統なものと認めていない。

出生地主義による市民権の獲得も、先住民の土地と主権を奪った白人が、征服地と自らの「ネイティブな結びつき」を、出生にまつわる憲法と法律で創作し、占領地に対する「生得の権利」を主張する不可欠の道具としてきた歴史がある。

米国において、「真のネイティブさ」を主張し、他者を排除できる正統性を持つのは誰か。出生と米市民権・米国籍が不可分に結びついているとするなら、その「米国」とは何なのか。米大統領選が投げかける、根源的な問いだ。

(この記事は、トランプ候補、また排外主義 その1 米国生まれのみ大統領になれる? の続きです。全2回)

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