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政府与党のメディア対応に疑問 弁護士落合洋司氏

Japan In-depth / 2016年3月10日 20時2分

今年4月の番組改編での各局のキャスターの降板に対し、政府の介入を指摘する論調もある。テレビ朝日「報道ステーション」の古館伊知郎キャスター、NHK「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスター、TBS「News23」の岸井成格キャスターなど、夜のニュースの顔と言われる人たちが降板する。落合氏は、「圧力がかかったからキャスター降板になったとは思っていない。」と述べ、「圧力と言うより、(テレビ局が)世の中の流れを見ながら、経済的なことも考えながら交代させるのだろう。圧力がかかったと決めつけるのはどうなのか。」と批判した。

岸井キャスターは、2015年11月の「放送法遵守を求める視聴者の会」による意見広告でも名指しで批判された。安倍編集長は、これについて「キャスターがそこまで中立性を欠いて発言していいのかという問題提起になったと思う。」と述べ、キャスターが自分の意見をことさらに述べるのは日本のニュース番組独特のものだと述べた。

テレビ朝日系列の人気報道番組だった、久米宏氏のニュースステーションでは、彼が直接意見を口にしなくても、雰囲気をかもしだすことによって政権を批判したり、視聴者の意見を誘導したりする部分があったと安倍編集長は指摘。「本当のニュースアンカーは、公平公正な立場で、そういうことはコメンテーターや記者に降ってバランスをとる。日本の場合はニュースアンカーが自分の意見を言いすぎるという印象を持っている。」と話した。落合氏は、「そのあたりは色々なスタイルがある。」とした上で、「バランスは重要。(ただ)意見を言わないと視聴者は物足りないかもしれない。」と話した。

高市総務大臣は、2月8日の予算委員会の中で、「放送法の規定を遵守しない場合は行政指導を行う場合もある。」「改善されない場合は、何の対応もしないと約束するわけにはいかない。」等の発言をした。これについて野党などは、メディアへの圧力だと批判した。

放送法は、「政治的に公平であること」を求めているが、これは法的義務なのか。それとも倫理規範なのか。落合氏は、「学説では倫理規範。こういう風にあるべきだと倫理を定めたものにすぎないという考えが有力。」と述べた上で、「私自身の考えだけでは、単なる倫理ではなく、規範性は否定できない。その点においては総務省の見解に汲みしている。」と述べた。その理由には、公共の電波で不公平なことが行われていて、何もできないのはおかしい、ということがある。規範性はあると考えるのが自然だという考えを示した。

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