3日以内に大震災が来るとしたら?
Japan In-depth / 2016年3月15日 19時3分
Japan In-depth 編集部(Emi)
災害を正確に予測することは極めて難しく、多くの場合、突然人々の日常を襲う。それでも災害を想定して備えることで、少しでも被害を小さくすることが出来る。それが「減災」という考え方だ。
東日本大震災から5年が過ぎた3月13日、宮城県仙台市で開かれた「Post-Disaster Innovation Forum(震災後の減災・防災を考えるフォーラム)」には、高校生を中心におよそ80人が参加した。若い世代の発想と知恵で、災害に備える社会を築いていくことを目指すこの会議は、東日本大震災から3年目の2014年にスタートし、ことしで3回目。神奈川県の高校生・仁禮彩香さんが立ち上げた一般社団法人「減災産業振興会」の主催で、企画や運営も高校生や大学生が中心だ。
冒頭の「3日以内に大地震が起こるとしたら・・」というのも高校生たちが考えたワークショップのテーマだ。ワークショップには、関東や東北の高校生と大学生が参加。被災地とそれ以外の地域の高校生が、知恵を出し合い、共に考えるというのがコンセプトだ。
東京や神奈川の高校生たちからは、「食料を備蓄しておく。」「家具を固定しておく。」「避難経路を確保しておく。」となどといった声が次々と上がった。そんな声の中で、実際に被災した経験を持つ宮城や福島の高校生たちの発言は、やはり圧倒的だった。
「食料と言っても、本当に必要なものは何か?」
「津波が来る可能性があるなら、2階にすべての荷物を上げておいた方がいい。」
5年前の記憶を辿り、次々に震災に備える具体的なアイデアを出した。
自宅が津波の被害にあったという福島の高校生は「3日以内に震災が起こるとしたら、小さい頃の写真を持っていた方が良い。」と強調した。自宅にあった写真は全て流され、今残ったのは、たまたま父親が持っていたものと親戚の家にあったもの、合わせてたった2枚だけだ。
宮城の高校生は、「震災が近いなら、このロングの髪の毛をショートにする。」と言った。被災した際、長期間入浴や洗髪が出来なかった経験から感じたことだという。
あの時は、大きな揺れの後どう行動すべきか、大人も迷った。迷っているうちに津波が迫り、間一髪でなんとか逃れた人も多かった。
「周りの大人を引っ張る力も必要かもしれない。」小学生の時に大震災を経験した世代から、こんな声も上がった。
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