テロが世界経済を停滞させる ブリュッセル同時テロ
Japan In-depth / 2016年3月27日 7時1分
久保田弘信(フォトジャーナリスト)
ヨーロッパで再び起きてしまった大規模なテロ事件。地下鉄はもとより、空港に誰もが入れることが問題視されている。テロが起きるたびに一般の人たちの移動、旅が面倒なものになり経済も停滞させていく。
飛行機へ爆発物を持ち込むことが困難になり、液体を混ぜ合わせることによる爆発物が使われた。 そのことによって、今や常識となりつつある飛行機への100ミリ以上の液体物の持ち込みが禁止された。
今、問題になりつつあるのはリチウムイオンバッテリーだ。僕たちが使うカメラのバッテリーを預けることができず、機内に持ち込まなければならない。新たなルールでバッテリーの充電が50%以下の物しか持ち込めないようになりそうだ。このルールが適用されると、空港でバッテリーが発見された場合は毎回充電率を計測し充電率が高いものは没収となるのか。
昔、インドの空港では単三電池さえ没収された。先日、インドを訪れた時は空港の警備体制は昔に比べて緩くなり単三電池、バッテリーはチェックされたものの持ち込むことができた。昔はチェックインカウンターでチェックを受け、預けた荷物が飛行機の目の前に並べられ、乗客が「これが私の荷物です」と指をさしてから飛行機に積み込まれた。
僕が訪れる国の空港では空港のターミナルへ入れるのは乗客のみ、という空港も多い。空港のターミナルに入る時にセキュリティーチェックがあり、チケットとパスポートを提示するのだが、出発時間より3時間以上前だと空港に入れないことも多い。勿論、手荷物は空港に入る直前に検査され、イミグレーションでも検査され、飛行機に乗り込む寸前にも検査される。
厳しい国では全ての荷物にタグがつけられ、チェックポイントを通過するたびにスタンプが押される。 飛行機に乗る直前に立った一つでのスタンプが押されていないと最初からやり直しとなる。 日本の成田空港は少し前まで空港に入る人は見送りの人でも身分証明書を提示する必要があり、手荷物検査もあったのだが、近年そのルールは撤廃された。飛行機に乗らない人でも気軽に空港を訪れることがでる。
今回のブリュッセルのテロ事件によって、世界的に空港の警備が強化される可能性が高い。もしかしたら、先進国でも空港に入る前に手荷物検査をするのが当たり前の時代が来るかもしれない。そして誰もが気軽に利用出来る地下鉄及び鉄道。日本の新幹線もそうだが、駅について10分後の切符を買い、すぐに乗車できるのが魅力だ。しかし、鉄道でのテロ事件が横行するようになると、鉄道駅でのセキュリティーチェックも実行される可能性が出てくる。実際インドやタイでは地下鉄に乗るときセキュリティーチェックがあり手荷物はX線検査器に通さなければならない。
テロ事件はそのときの衝撃も大きいが、その後テロを警戒するために新たなルールが設けられ、人々の生活が複雑になる。素早く移動できる交通機関に厳重なチェック体制が設けられれば、それは経済にも大きな影響を及ぼす。29日から安保法制の施行が始まる日本も他人事ではない。
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