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オスプレイを政治利用する新聞の不見識 その2

Japan In-depth / 2016年4月29日 14時18分

オスプレイを政治利用する新聞の不見識 その2

清谷信一(軍事ジャーナリスト)


次に主たる擁護派である産経新聞の記事をみてみよう。



これまでもオスプレイは沖縄県の普天間飛行場への配備時など、執拗な批判にさらされてきた。しかし、物資輸送をはじめ、災害発生間もない被災地のさまざまな需要に応じるため、オスプレイを活用しない理由はない。主力輸送ヘリCH46と比べ、速度は約2倍、航続距離は約4倍で、積載量も約3倍といずれの性能も上回るからだ。


救援活動での活躍は、ことさらオスプレイの危険性を強調し、過剰ともいえる議論をリードしてきた一部メディアにとっては“不都合な真実”になりかねない。しかし、露骨な反対運動のアピールは、逆に被災者や関係者の怒りや失望を買うだけではないか。



一部メディアのオスプレイ叩きに被災者から批判の声「露骨な政治的パフォーマンスでは…」 産経新聞 2016年4月20日


http://news.livedoor.com/article/detail/11434501/



佐賀県が地元関係者の顔色をうかがい、態度をあいまいにしているその時、大地震が熊本を襲った。米軍のオスプレイが佐賀空港を訓練拠点化していれば、救援活動のあり方もまた、さらに充実したものになった可能性がある。佐賀県はその辺りのことを、しっかり見つめ直すべきだ。



「中国刺激」の懐疑的論調はいかがなものか 日米で被災者支援に活躍望む 佐賀県に配備されていれば違った展開も 産経新聞 2016年4月21日


http://www.sankei.com/politics/news/160419/plt1604190026-n1.html



「僕は、なぜこうみんなにいやがられるのだろう」。よだかは嘆息をもらす。「今まで、なんにも悪いことをしたことがない」というのに。宮沢賢治の『よだかの星』である。


米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイは、魚鷹(うおたか)の異名を持つミサゴを意味する。やはり、なぜか一部の日本人からひどく嫌われている。今年2月、岩手県で行われた日教組の教研集会では、「配備反対」をテーマにした授業の報告さえあった。最新鋭の輸送機は「なんにも悪いことをしたことがない」どころか、善行を重ねている。


反対を唱える人がいる。安全保障関連法で強固になった、日米同盟をアピールするパフォーマンスにすぎないというのだ。勘ぐりが過ぎるのではないか。よだかは絶望の末に、空をどこまでものぼり星になる。オスプレイには、いてもらわないと困る。何より有事の際、日本を守る「切り札」の一つである。



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