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舛添騒動 政策と資質を検証せよ 東京都長期ビジョンを読み解く!【特別編】

Japan In-depth / 2016年6月7日 18時0分

舛添騒動 政策と資質を検証せよ 東京都長期ビジョンを読み解く!【特別編】

西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)

「西村健の地方自治ウォッチング」

メディアの注目を背に政界の荒波をかいくぐって成長したトップリーダー?センテンススプリングが発見したゲスの極み知事?自分のお金を使って逆ギレする「第三者」を雇ってまで開き直るプレゼンター?政治学の専門家らしく法の目をかいくぐることにまことに優秀な政治家?

舛添東京都知事の公私混同疑惑が広がり、6月6日第三者による調査結果が会見で明らかになった。一言で言うと、違法性はないが、不適切な支出があったということであった。会見で舛添都知事は、不適切な支出内容、様々な誤解を生んだ行動、自身の発言と行動との乖離などについて「心から」反省した。

これまで、都知事の高額海外出張から始まり、公用車の「活用」方法、政治資金の「普通ではない」使い方(セコさあふれる漫画や書籍などの購入)、「第三者」を本人が選任するという不可思議な対応、(テレビで以前注目を浴びた)親の介護の際の裏事情などなど出るわ出るわのオンパレードで、政治家の資質そのもの、さらに、人間性について疑われる始末。

そもそも何のための政治家をやっているのか?政治家になることが目的だったのか?自分の能力の高さに見合う地位を得てプライドを満たしたかっただけ(有名になりたかった)?東京都民や自分以外の他人のために本当に何をやりたかったのか?政治資金を活用してどういった暮らしをしたいのか?絵画鑑賞など趣味を満喫したかったのか?などの疑問が生じている。

世論の8割近くが「辞任すべき」と答えるこの事態。世論の8割が「不支持である」というレベルよりも一段進んだ猛烈な反発を受けているものの、「逃げ切れる」との憶測も上がっている。これは、東京都知事の権力がいかに強いかを如実に示しているといえよう。

今回の騒動の根本原因は、東京都知事という仕事が比較的たやすいことだ(非常に失礼な言い方になるが行政経営の専門家として言わしていただきたい)。優秀な舛添知事ではなくても、正直、そこそこの知性と熱意と経験があれば務めあげられると断言できる(議会との関係が良好であるという条件がつくが)。

そもそも、東京都知事の仕事は大変だと多くの人は誤解している。皆さん忘れていないか?かの石原慎太郎元都知事も、週3日しか都庁に出勤していない実態があった。

第一に、都知事の仕事は、リーダーや顔としての振る舞いが求められることが多い。他の自治体と比較して、大きいイベントへの挨拶・講演・スピーチ、表彰などの活動が相対的に多い。東京都自身がそれだけの予算を持ったイベントを主催することも多いし、東京の顔として民間のイベントに呼ばれる機会も多い。様々な組織の顧問など名誉職としての活動もある。知事がイベントに参加し聴衆の心を掴むプレゼンテーションでその巧みな言葉を操っていても、保育所の現場にいかないで絵画鑑賞や自分が行きたいところへの視察にかまけていても都政は回るのだ。

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