残留支持する米国の本音と建て前(上)英国はEUから離脱するか その2
Japan In-depth / 2016年6月13日 21時31分
米国も実は、こうした危機感を共有している。飲食物の容量を全てメートル法で統一しなければならないとすると、たとえばマクドナルドの「クォーター・パウンダー」はどうなるのか。まさか「113グラマー」にせよとは言うまいな、というわけだ。いや、真面目な話、これは非関税障壁ではないのか、という議論が盛り上がるのを防ぐべく、ヨーロッパの主要都市には必ずあると言って過言ではないマクドナルドは「お目こぼし」 を受けているのである。
前回紹介した,保守党内反EU派の急先鋒であるジョン・レッドウッド議員の論理も、実はこの延長線上にある、と述べたなら驚かれるであろうか。いや、まったく同列だとまで言っては、さすがにこちらの方が暴論の誹りを免れ得ないが、EUからの離脱を主張する一部保守党政治家たちの主張の根幹は、「選挙で選ばれた自分たちの頭越しに、ブリュッセルのEU官僚が、度量衡はもとより、財政規律から海岸の景観、果てはペットの飼い方まで決めるなどということが、どうして許されるのか」ということである。わが国だけ右ハンドルの車に乗ってなにが悪い、という論理だ。
ただしこちらの議論は、米国の支持を得ているとは言い難い。むしろ現在のオバマ政権は、英国はEUに留まるべきだと、強く促している。
またまた、こう述べると驚かれるかも知れないが、これは、米国車もメーターはマイルで左ハンドルだから、などという次元の話ではなく、経済政策上の理由に加え、かの国の「歴史認識」も関係しているのだ。次回、その話を。
(その3は14日11時配信予定。その1も合わせてお読み下さい)
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