W杯組・転向組、多彩なメンバー リオ五輪男女7人制ラグビー日本代表候補決定
Japan In-depth / 2016年7月6日 7時0分
神津伸子(ジャーナリスト・元産経新聞記者)
“13人” の意味
日本ラグビー協会は、リオデジャネイロ五輪の7人制(セブンズ)の男女日本代表候補を発表した。男子は、昨年のW杯代表の山田章仁、藤田慶和、福岡堅樹(パナソニック)、主将の桑水流裕策(コカ・コーラ)ら、14人。女子は主将の中村知春(アルカス熊谷)、ママさん選手の兼松由香(名古屋レディース)、プロ選手の山口真理恵(ラガール7)ら13人と、男女とも多彩な顔ぶれが揃った。
セブンズは今大会から初めて五輪正式種目となり、代表メンバ―決めが大きな注目を集めていた。
スター揃いの男子
瀬川智広ヘッドコーチが、「チームの目標はメダル」と抱負を語る男子チームは、山田ら豪華メンバー。
「日本チームは選手とボールが止まることなく、とにかく動き続ける。俊敏にスペースを攻めたい。そのためのベストのメンバーを揃えた」
スーパーラグビーのサンウルブズから離れて7人制代表候補合宿に加わった山田は、現在故障しているが候補メンバー入り。「コンディションに問題はない。"トライの嗅覚"を持っている」(瀬川)と評価された。山田は「トライを取ることにこだわりたい。全ての人に感謝したい」と。
常に15人制とセブンズで頑張る藤田は「ここがゴールではなく、やっとスタートラインに立てたという気持ち」。福岡は「W杯では、(なかなか出場がかなわず)煮え切らない思いもあった。五輪では全力を尽くす」と、完全燃焼を誓う。福岡と同じ50メートル5秒8のスピードが持ち味の人気イケメンウィング、松井千士(同志社大学4年)は「スピードは誰にも負けない」と、目を輝かす。
異彩を放つのが、佐賀の道路工事の現場で働きながら、練習は福岡まで通う苦労人、副島亀里ララボウ ラティアナラ(玄海タンガロア、フィジー出身)。副島は「家族や様々なことを犠牲にしてラグビーに専念して来た。感謝している」と、英語でスピーチ。生まれたばかりの三男を“里桜(リオ)”と命名。日本国籍も取得し、五輪と桜ジャージーへの思いは、一段と熱い。
“13人”の女子候補選手
男女とも、ヘッドコーチが1名ずつ選手の名前を読み上げて、呼び入れをした記者会見。女子の14番目の候補選手が、読み上げられることはなかった。
「直前のオーストラリア遠征で14番目の選手が怪我をしてしまい、女子はこの13人です」と、浅見敬子ヘッドコーチの表情は、一瞬曇った。
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