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ソウル女性刺殺事件とミソジニー論争

Japan In-depth / 2016年7月7日 10時59分

 その後、一ヶ月が過ぎた。江南駅の出口に付いていた追悼のポストイットは別のところに運ばれ、多くの人々の記憶で事件から受けたショックや追慕の熱気は徐々に忘れられている。

 しかし、今回の悲劇的な事件がフェミニストの間で主に使われていた女嫌いという単語(そしてその単語が表象する多様な社会的な流れ)を公共の領域に引き出したことは明らかだ。今や韓国社会は、消耗的な性対決の論争の代わりに自分の性(ジェンダー)によって被害を見ることを減らしていくための努力を開始しなければならない。

 注:この殺人事件が議論を呼んだ後、韓国では、社会学者上野千鶴子教授の著書『女嫌い-ニッポンのミソジニー』が大きな反響を呼んだ。韓国の翻訳本「女性嫌悪を嫌悪する」が偶然同じ時期に再版された点も一部影響を及ぼしたが、日本の女嫌いの事例が同じ東アジア文化圏に属する韓国にも観察されるということで多くの読者たちの共感を得たことが理由だった。再出刊を記念して訪韓した上野教授は、連合ニュースとのインタビューで、江南駅の殺人事件に対する意見を聞くと「韓国女性たちが残したメッセージが印象的だ。韓国社会の全体に女性を強姦するような言動があふれているためにそこで生き残ったこと、偶然に被害者にならなかったことを意味する」と指摘した。

 

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