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南シナ海仲裁裁判所裁定その2 「九段線」却下

Japan In-depth / 2016年7月16日 18時0分

スカーボロー礁での伝統的漁業については、満潮時に海面上に残ることから領海の範囲に入るが、この裁定ではどちらの主権が及ぶかについては決定するのではないため、どちらの国の漁船も操業することができ、中国がフィリピンの漁船の操業を認めない行為は違反とした。

中国の行動の海洋環境への影響については、南沙諸島の7か所での中国の大規模な埋め立てや人工島の建設はサンゴ礁に甚大な影響を与えているため、海洋法で規定している危機に瀕する海洋資源の保護義務に違反しているとした。

また、中国の漁船が絶滅に直面するウミガメやサンゴ礁、オオシャコガイを収穫し、中国政府はこれを認識していたにも関わらず阻止する義務を怠ったとした。

スカーボロー礁に入ろうとしたフィリピンの船が、2012年4月と5月に二度にわたり中国の船が近接近してこれを阻止した行為は危険行為であり、海洋法に反する、また、大規模な埋め立てや建設は、係争中の問題については、これを悪化させる行為はしないとの海洋法下の義務に反したとした。そして、中国もフィリピンも国連海洋法を受け入れており、この裁定に従うべきだと両当事者に訴えた。

フィリピンはこの仲裁裁判所の裁定を受け入れることを表明したが、中国は自らの主張を繰り返し、この裁定の受け入れを拒否するだけでなく、裁判官の中立性などにも疑問を投げかけ、多くの国が中国の立場を支持しているとして、反論キャンペーンを張っている。

中国は、国際秩序維持に自国の国益を見出す体制派なのか、それとも自らの国益を全面に出して国際秩序に挑戦する修正派なのか、その行動は対中政策を考える上でも大きな試金石となる。

(その1もあわせてお読み下さい。)

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