トランプが示した暗く恐ろしいアメリカとヒラリーのパートナー 米国のリーダーどう決まる?その20
Japan In-depth / 2016年7月25日 11時0分
そして締めくくりのトランプによる指名受諾スピーチ。1時間15分という歴代候補最長だったが、視聴率は伸びずじまい。「ホープ」や「チェンジ」という言葉で明るい、より良い未来のビジョンを謳ったオバマ大統領とは反対に、いかに今のアメリカが暗い、恐ろしい、ひどい国であるかを延々とぶち上げた。
実際にはオバマ政権の8年で全米の凶悪犯罪率は低下しているし、違法移民総数も減っている。アメリカは他の国と比較しても税率が高いわけでもなく、他のヨーロッパの国々と比べてもイスラーム国のテロが多いわけでもない。さらに、こうして様々にでっち上げた問題が起きているのは、あなたたち、つまりアメリカ国民のせいではなく、違法移民や他の国のせいなのだと責任転嫁した上で、「私ほど、世の中の仕組みをわかっている者はいない。だから私だけが問題を解決できるのだ」と発言した。まるで議会制民主主義の国ではなくて独裁者にでもなろうとしているかのように。
一方、党大会を来週に控える民主党は、ヒラリーが副大統領候補にバージニア州知事のティム・ケインを選んだところだ。下馬評通りの人選で、とにかく「地味」という評価をされがちだが、ヒラリーより衆目を集めることもなく、中道寄りで、実直で頼もしい人を選んだと言えるだろう。共和党大会とは一線を画し、ポジティブで前向きなメッセージを聞くことになるだろう。
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