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圧倒的に「日本好き」な台湾 「対日世論調査」の読み解き方

Japan In-depth / 2016年7月26日 18時0分

これまで中国は、台湾における対日感情の良さについて「日本統治時代の皇民化の影響」という歴史的文脈によって説明しようとしてきたが、これまで述べているように、皇民化教育を受けた戦前世代はすでに80歳を超えてこうした調査の対象とならない年代なっており、戦後世代が台湾社会の中心的構成員になっている。こうした現実について、台湾統一を国家目標に掲げる中国は、もう少し台湾の人々の心の中に丁寧に向き合い、その原因を考える必要がある。

台湾の人々は、日本の東日本大震災のときに200億円という世界でもダントツに飛び抜けて多い金額の義援金をほぼ小額募金の形で送ってくれるなど、一人ひとりの市民レベルで日本への強い親近感を持ってくれていることは広く知られている。一方で、以前は日本から台湾への関心はそれほど強いものではなかったが、東日本大震災の支援をきっかけに台湾への関心が急激に高まっているのも事実で、日本人の対台湾好感度を示す調査はないものの、いま日台間では「相思相愛」に近い形になっていることは間違いない。外交関係がない日台関係を、民間主導や社会主導の形でどうやってさらに強化していくことができるか、この世論調査を受けて「台湾は親日的だ」とシンプルに喜ぶだけでなく、その「次」の問題として、我々は考えていくべきではないだろうか。

 

(注1)ひまわり(学生)運動

2014年3月17日台北の立法院(国会に相当)で、与党国民党が「サービス貿易協定」を内政委員会で審議終了・本会議送付を強行採決したことに反発した学生らが立法院に突入、本会議場を占拠した。この行動が多くの学生の支持を得て、「太陽花学運」(ヒマワリ学生運動)と称されるに至った。同年3月30日には総統府前で、50万人規模(主催者発表)の抗議集会も開催された。

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