トヨタ・スズキ提携交渉“第2のトヨス”か? その2
Japan In-depth / 2016年10月22日 23時0分
日産は“モコ”で軽自動車市場に参入した訳ですが、これはスズキの“MRワゴン”の姉妹車、全てスズキからのOEM供給であった訳です。このような背景から、日産やゴーン社長から、スズキに非公式な提携交渉の要請が来ていたとしても、全く理に適う訳で、お見合いの相手としては、トヨタよりも日産の方が、より相性がいいとも思える訳です。
ところが今回、スズキはトヨタを選んだ。豊田社長曰く、まだ“婚約”ではなく“お見合い”の段階、ということですが、とにかく相手は日産ではなかった。噂の域を出ませんが、修会長がゴーン社長やその経営手法を嫌った、とも聞いていますが、こればかりは憶測の域を出ません。今回の提携に関しては、トヨタもスズキも遠州(静岡県西部、湖西市から浜松市)が発祥の地であり、両社共に自動織機の生産から始まった、修会長とトヨタの豊田章一郎名誉会長が懇意の中である、スズキの鈴木俊宏社長も、元はデンソーに務めていた、よってトヨタとスズキは相性がいいのだと。
また、歴史を振り返ると、スズキはトヨタに2度助けられており恩がある。1度目は1950年代初め、労働争議と景気悪化により経営危機に陥り、トヨタの親会社とも言える豊田自動織機に資金援助を求めたこと、2度目は1970年代後半に、排ガス規制の対応に遅れたスズキが、ダイハツからエンジン供給を受けたこと。ただその一方で、スズキはそのダイハツと国内軽自動車市場で熾烈な戦いをしており、スズキの最大の敵はダイハツであることも確か。また、1990年代には、当時のトヨタの社長、奥田氏が、軽自動車の枠自体を撤廃する方向で動き、当時の修社長と侃侃諤諤の敵対関係になったことは記憶に新しい訳で、助けてもらったこともあるが、激しい喧嘩をしていた時もある、というのが実情、恩ばかりを感じている訳ではなのです。
(その3に続く。その1もあわせてお読み下さい。全3回、毎日23:00に掲載予定)
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