トヨタ・スズキ提携交渉“第2のトヨス”か? その3
Japan In-depth / 2016年10月24日 22時0分
5)そしてホンダはこれからどこへ行く?
これで日本は3つのグループに収斂したことになります。トヨタ大連合、日産・三菱連合、そしてホンダです。ホンダは従来から提携を是とせず、孤高な姿勢を貫いてきました。1980年代に英国で当時のローバーと提携、高級車レジェンドを開発するにあたってのノウハウを勉強する、という目的でしたが、これが見事に失敗、この影響からか、その後もホンダはただひたすら独立独歩で経営をすることが原則となり、出資を伴う・伴わないに拘わらず、大半の業務で一人っ子政策を取ってきました。最近になってようやく、燃料電池車(FCV)の開発などで、GMとの共同開発を進めるようになりましたが、あくまでも技術開発の共同作業であって、出資を伴う提携など、全く視野には入っていないように見えます。
この数年間のホンダは苦労の連続、タカタのエアバッグ、フィットなどの相次ぐリコール、円高による大幅な減益、米国・中国での新車販売の低迷、ハイブリッド車での躓き、国内販売の軽自動車への過度な偏り、などなど。今週もシビックで、タカタのエアバッグ関連での11人目の死者が出たばかり。タカタの救済プランでも、米国の投資ファンドなど、5つのグループがタカタへの経営参画を発表していますが、全てのグループがタカタの法的整理、即ち倒産を前提にした再建策を立てており、今まで数千億円のリコール費用の負担をしてきたホンダにとっては、胃が痛くなるような局面が続きます。
トヨタとスズキの合同会見の際、豊田社長は“トヨタはお友達を作るのが下手だ”、と述べていましたが、ホンダはこれに輪をかけて下手である、ということかもしれません。提携とか出資とか言うと、何か人に頼って、ないしは人のふんどしで相撲を取るようなイメージもありますが、実際はそうではなく、お友達作りをしながら、相手を自分の陣地に引き入れる、自分のやり方を他の人たちにも広める、つまり“デファクトスタンダード”作りをする、ということに他なりません。HVしかり、PHVやFCVしかり、今後の自動運転を見据え、その画像解析技術や高次元3Dマップ、IOTやビッグデータの処理など、日本式、欧州式、米国式といろいろな方式が混在、日本の中でも、トヨタと日産とホンダはお互いに競争し合うばかりで、良い意味での協調はしてこなかった、それが日本が世界で家電も半導体もコンピュータも携帯電話でも負けた理由である、とも言われます。自動車、ましてや今後の次世代型自動車の部分で、日本は負ける訳にはいかんのです。
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