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権力者の心臓を握る 「チェ・スンシルゲート」

Japan In-depth / 2016年11月2日 11時0分

権力者の心臓を握る 「チェ・スンシルゲート」

李受玟(イ・スミン/韓国大手経済誌記者)

■「極めて恥ずかしい事件」

韓国の人々は前月24日、あるメディアの報道が出た後、自らを恥じる声でいっぱいだった。『彼女』を支持するかしないかにかかわらず、この国を代表する人が頂上から落ちてしまう姿を見守らなければならない状況は絶望的で、胸が痛んだ。『彼女』が好きでも嫌いでも、『彼女』と私たちの祖国は同じ国であるから、他の場所へ目をそらすこともできなかった。『彼女』とは憲法の第1条1項から民主共和国であることを明らかに定めている大韓民国の行政首班、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領だ。

大韓民国の主権は国民にとって、全ての権力は国民から出ている。韓国の憲法、第1条2項の内容だ。中学生たちもいつでも覚えられるほど、この国を象徴するものの中でも最も重要な部分である。しかし、朴大統領の40年間の親友というチェ・スンシルが不当な方法で権力を振り回し、また自分勝手に国費を流用した状況が発覚した状況で、法が規定したことは現実とは違う方向に行ってしまったのだ。

いわゆる「チェスンシルゲート」と命名されたこの権力型スキャンダルは、最大の権力を持っている大統領とその人を支えているシステムが完全に壊れたことを明らかにしたという点で、今後韓国社会に深刻な影響を及ぼすものとみられる。

 

■40年を一緒にした親友か、ソールメートか? 

簡単にこのスキャンダルを要約すれば、こうなる。朴大統領と、長い間姉妹のように人生を過ごしてきたチェ・スンシルという人が、政府が施行する様々な政策に干渉して、重要な決定をしてきた。 その決定は、韓流に関する文化事業であり、開城(ケソン)工業団地のような朝鮮半島の平和を決定する政策でもあった。大統領が就任した後、自分の目標を語った演説文にも、前任の李明博(イ・ミョンバク)大統領と選挙に勝った者の身分で北朝鮮の動向について議論する時も、チェは政府の誰よりも国家の極秘情報に近い人間だった。また、利害関係でチェの邪魔になる文化体育部の公務員を多様な方法で圧力をかけ、結局、自ら辞表を出すようになった事件でもチェの名前が発見される。(常に行政職公務員は法律で任期が保障されている) 

また自分の娘を有名な私立女子大学に入学させるために入試制度を変えたり、三星(サムスン)を含めて大手企業から800億ウォンという基金を受けたり、自分や知り合いの名前でドイツに幽霊会社を設立した時もチェ・スンシルは姿を現す。

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