権力者の心臓を握る 「チェ・スンシルゲート」
Japan In-depth / 2016年11月2日 11時0分
韓国のメディアはここに加えて、現在数百億~数千億ウォン以上を資金が必要な政策がチェの手で最終的に決定されたという疑惑を提起している。もちろん、朴大統領がその内容を十分に熟知し、署名したとみることもできるが、チェがその政策を立案し施行する上で強力な影響力を行使したという根拠が多数ある。
それならこのような重要な位置にいるチェとはどんな人間であろうか。信じれらないことに、チェは正当な資格を持った人物ではない。学士学位を保有しているかどうかもはっきり確認できず、政党に所属して本格的に政治について学んできた人でもない。国家試験を通過した人でも、学問的な成果の優れた学者でもない。さらに、朴大統領と血縁関係もない。ただ60年間生きてきた韓国国籍の人間であり、運良く朴大統領と20代から親しかっただけだ。権力者との絆をもとに、無資格者が共和国のシステムを混乱させたのだ。これが「チェスンシルゲート」の核心だ。したがって朴大統領は責任を取る必要がある。
▲写真:朴大統領の40年間の親友というチェ・スンシル©ニュースタパ
■鉄壁の支持率崩壊した朴大統領
韓国の検察は10月30日、突然イギリスから帰国したチェを翌日の31日召喚し取り調べた。捜査を担当する検事20名からなる特別捜査本部は朴大統領とチェを巡って深まった疑惑を徹底的に調べると国民と約束した。けれども捜査の1段階の家宅捜索からまともにできていないという指摘が多い。大統領は今の国家システムの上、捜査機関である検察を指揮する人だ。 これは深く突っ込まなければならない対象が捜査力を制御できるということだ。そのために韓国では今回の捜査が核心にふれないまま終わってしまうという懸念が大きくなっている。
今、朴大統領の前に置かれた未来は順調ではない。「彼女がどんな過ちを犯しても絶対に壊れなかった20%の支持率(全国の平均)が崩壊し始めたからだ。11月1日に発表されたネイル新聞とスタジオ・ピニオンの世論調査によると、朴大統領に対する支持率は前月(34.2%)比25.0%ポイント下落した9.2%となった。代表的な支持層である60歳以上の年齢層(64.5%→20.8%)、大邱・慶北地域住民(44.3%→8.8%)、セヌリ党支持層(77.2%→32.4%)で先月比の支持率が大幅に落ちてしまった。「朴大統領が自ら下野しなければならないか」の質問には67.3%が同意した。先月29日にはソウル光化門(クァンファムン)で最高2万人が集まって朴大統領の下野を要求する集会を開き、大統領府まで行進して解散した。
これからが本番だ。支持率の変化はすぐに国会を変えるからだ。そして国会が向かう方向は多くの韓国人の行動で決定されそうだ。その結果が弾劾や下野、留任という三つの道の中でどれを選んでも明確な事実は、朴大統領は国民からの信頼を完全に失ってしまったのだ。
*トップ写真:1979年新心(セマウム)祭典行事に参加した朴槿恵(パク・グンヘ)当時新心奉仕団総裁(右)と、新心大学生総連合会長のチェスンシル(左)。©ニュースタパ
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