1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 政治

東京にブランドは必要か? 東京都長期ビジョンを読み解く!その40

Japan In-depth / 2016年12月4日 7時0分

①東京は世界的に知られてないのですか?イメージが持たれてないのですか?

②東京は商品ですか?

③東京のイメージを限定することにどれだけの意味がありますか?

この3つの質問に答えられないなら話にならないが、私が必要と思わない理由を政策評価の4つの視点から整理しよう。

対象事業:東京ブランド形成事業

目的妥当性:× 【理由】目的が不明確

有効性:× 【理由】成果指標が不明。ただし、現段階の認知度が低いのは仕方がないだろう(それを責めるのはかわいそうだ)。

効率性:? 【理由】都職員の業務時間がわからないので判断できない。

公平性:〇 【理由】金額は高いが、様々な展開で機会を得られるようにしている。

そういう理由で必要がないと思う。せっかくなので、本質的な議論をしてみよう。

【問題提起1】都市間競争?

そもそも、本当に都市間で競争しているのか?

都市間競争といわれるが、企業はたいてい何かをビジネス上で選択する際の1要素としてしか「都市」の要素を見ていない。

ある企業がアジアのヘッドクオーター(本部)を東京にするか、香港にするか、シンガポールにするかの選択をする際、かりに香港が選択されたとしよう。それを「都市の魅力で香港に負けた」という識者がいる。

しかし、アジア本社をどこにするかは、その時点のその企業の戦略、ビジネスの最適なオペレーション(物流、管理、財務、情報)、重点顧客・市場、人材・採用など複合的な要因が絡む。その企業にとってはただ香港を選択しただけという事実が、事情を知らない他人から「香港に東京が負けた」と解釈される。東京という都市が負けたかどうかは疑わしい。

ある企業のある意思決定の中で「東京が選択されなかった」という事実や似たような事実の蓄積が、東京が国際的な都市間競争で負けたという解釈にいつの間にかすり替わる。無意識的なのか、意識的なのか、意図的なのか、わからないが。

正しくいえば、企業の意思決定者は、都市全体ではなく、その企業にとっての都市の持つ「機能」を見ている。つまり、ブランドを見ているわけではない。

都市間競争論者の話をまともに受けると、ブランド、規制、道路、交通、Wi-Fi、食事、住居、、、、とすべての面で整備しないといけない。いくらお金があっても足りない。

【問題提起2】東京のブランドの定義は?

ブランド、ブランド価値、ブランディングを混同していないか?

エルメス、バーバリーなど高級ブランドは職人や社員やブランドを愛する顧客がそのブランドを大切に守ってきた。職人はその品質を社員はその名声を顧客はその気品を。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください