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東京にブランドは必要か? 東京都長期ビジョンを読み解く!その40

Japan In-depth / 2016年12月4日 7時0分

では、東京のような大きすぎる都市でどうか。何か凄惨な事件があったら東京ブランドが傷つく。ブランドを守れるだけの覚悟と時間も資源もない中、ブランドづくりを行うことは望ましくない。しかも、東京はブランド化するには多様すぎる。

東京のブランドづくりをしたければ、首都機能を移転する、遷都をする、高層建築の規制を強化する、景観をもうちょっと調和のとれたものにする、地区・地域ごとにブランドを作るなどしてからにしてもらいたい。

世界的にみても多様であり、魅力にあふれ、ユニークで、エキゾチックで、ミステリアスで、雑多な街、東京。すべてが集中している街にブランドをつけるという行為自体が自然ではない。目的を明確にできないから会合で有識者から「何をいいたいのかわからない」と言われてしまう。

ブランドづくりやアイデンティティを求める行為は時にわくわくするものだ。しかし、ブランドを行政が考えるのなら、住民を巻き込んでからにして欲しい。巻き込んでもたいてい何らかの不満が出てくるだろう。それぞれの東京像に合うわけがないのだから当たり前だ。

東京都育ちの都民にとって、「東京」をブランドということには「感情」的に反発を覚える。どちらかというとブランドより、東京都民のシビックプライド(誇り、愛着)を五輪に向けてじっくりコミュニケーションを深めていく、そうした丁寧な取り組みをしてもらいたいと提案したい。

コミュニケーションによる相互理解と共有体験こそレガシーとなる。

トップ画像:ⓒ西村健

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