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ギャンブル依存症大国の汚名返上せよ

Japan In-depth / 2016年12月22日 23時20分

しかしながら、カジノは明日できるわけではなく、少なくとも今から4~5年、もしくはもっと時間がかかるのだ。その間に何がなんでもこの「ギャンブル大国日本」を「ギャンブル対策国日本」へとシフトチェンジさせなくてはならない。だとしたら対策費は相当額を考えねばならない。それは、これまで厚労省がわずかにつけてきた予算数千万円~1億円等という規模では到底間に合わない。少なくとも世界基準に見合った対策費を投入すべきであろう。

例えば、お隣韓国では7つの公営ギャンブルと、自国民が入れるカジノを1カ所抱えているが、依存症対策費はそれらギャンブル産業の売り上げの中からおよそ22億円が拠出されている。日本もギャンブル依存症の現状は韓国と似たり寄ったりであるが、人口比を考えたら、日本はおよそ50億円必要ということになる。それでも韓国は、まだまだギャンブル依存症の問題は蔓延しており、日本も、カジノ建設までに対策を徹底的に研究しなくてはならないと考えており、既存ギャンブル産業からの対策費拠出は当然免れぬであろう。

果たして、自分たちとは一切関係のないカジノが生まれるからといって、すでに既得権まみれのギャンブル省庁が、これに応じるのかどうかというと、非常に難しい問題だと考えている。但し、こうした取組みがIRを契機に実現すれば、日本もようやく世界の依存症対策の水準に近付くこととなる。是非とも、推進派の皆様には、この問題に大ナタをふるうつもりで、取り組んで頂きたいと思う。

さらに、これらの問題をクリアしたとして、どこの省庁で今後依存症対策を担うのか等、まだまだ課題の積み残しがあるが、財源が確保できればそれは日本のギャンブル政策の大きな転換点となることは間違いない。

一部政党や議員の中からは、ギャンブル産業から依存症対策費を担わせるのはマッチポンプだ、などという批判があるが、実は全く逆で、それこそが世界のスタンダードである。逆に、ギャンブル依存症問題の処理を、税金でまかなうほうがよほど不公平ではないだろうか。

ギャンブル依存症は誰でもかかりうる病気とはいえ、ギャンブルをやらなければかからない病気なのだ。でありながら税金を使って回復支援をするとしたら、ギャンブルをやらない人達からみたら納得できない話であろう。我々依存症者の側から見ても、税金は難病治療や母子の支援、貧困対策など可及的速やかな支援が必要とされているものに使って頂きたいと思う。

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