【大予測:東南アジア】覇権狙う中国、鍵はインドネシア
Japan In-depth / 2016年12月30日 17時40分
地方出身、中国系、キリスト教徒であるアホック知事へのイスラム教急進派の反発が予想外に拡大した結果、同知事は現在「宗教冒涜罪」で起訴され、裁判が始まっている。投票日前に判決が予想されるが「有罪、無罪」に関わらず、アホック知事の支持派、反対派による反発のデモ・集会は必至とみられ、それが騒乱や全国規模に発展しかねない情勢となっているのだ。
インドネシアが国内問題に拘泥しているとASEANでのインドネシアの相対的な発言力、指導力が低下しかねない。そうでなくとも求心力とまとまりが欠如しはじめているASEANの「盟主不在」「強いリーダーシップの欠如」は個別切り崩しを狙う中国の思うつぼとなる。
ミャンマーのロヒンギャ問題やフィリピンのイスラム過激派問題などの調停や仲介に積極的に関与してきたインドネシアだけに、ジョコ大統領としては国内問題に2017年の早い時期に解決のメドをつけて、ASEANの結束強化にその手腕を発揮したいところだ。
2017年、ASEANは各国がそれぞれに個別に複雑で混沌とした問題を内包しながら、習近平主席の中国、トランプ大統領の米国というスーパーパワーの間でどうその存在意義を見出していくか、正念場となる年を迎えそうだ。そういう意味では「熱いASEAN」になるのは確実で、目が離せない1年になるだろう。
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