暴走する朝日新聞トランプ叩き
Japan In-depth / 2017年1月31日 18時0分
ナチス・ドイツによるアウシュビッツの大量殺戮の残酷さを持ち出し、国連事務総長の最近の演説へとつなげる。そのうえで国連事務総長の「ポピュリズム」とか「外国人への嫌悪」とか「イスラム教徒への憎悪」という言葉を引用したうえで、一挙にトランプ大統領へと「アウシュビッツでの虐殺」を連結させる。
この「天声人語」のカギの部分は国連事務総長の言葉の後の「思い浮かべていた顔はトランプ」という記述である。国連事務総長がアウシュビッツを想起しながら、現代の世界のポピュリズムを語ったとき、その事務総長が思い浮かべたのはトランプ氏の顔だろうと、この「天声人語」記者は断じるわけだ。
私もこの国連事務総長の演説の原文を読んでいたが、そこで最も強調されていたのは虐殺行為の犠牲になったユダヤ人に関連しての「反ユダヤ主義の台頭」だった。そこにはトランプ氏を連想させる記述はなかった。なのにトランプ大統領に直線で結びつけるのは、あまりに扇情的な誹謗の飛躍とでもいえようか。
トランプ氏の義理の息子のジャレット・クシュナー氏はユダヤ系アメリカ人である。そのユダヤ人の義理の息子をトランプ氏は大統領上級顧問に抜擢した。ユダヤ人をそれほどの身近におく人物がユダヤ民族大量虐殺の下手人たちと同列におかれ、連結までさせられるのだ。しかも72年以上も前の時代と現在との環境の違い、価値観や国際情勢の違いなどをすべて無視して、アウシュビッツを一気にトランプ大統領へと結びつける。
トランプ憎しのあまりの過剰攻撃であろう。こうした憎悪の言論こそがナチスの再現に似た時代環境をまたはぐくむともいえよう。
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