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外務省、「慰安婦像」に呼称統一へ 

Japan In-depth / 2017年2月4日 10時35分

外務省、「慰安婦像」に呼称統一へ 

古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)

「古森義久の内外透視」

【まとめ】

・メディアは韓国の慰安婦像を少女像と呼んできた。

・自民党から呼称変更要請相次ぐ。

・外務省は呼称を慰安婦像に統一する方針決めた。                

日韓関係を悪化させる慰安婦問題で日本の主要メディアが奇妙にも慰安婦像を「少女像」と呼んできたことの不適切さを何度か当サイトで指摘してきたが、日本外務省もついにその不適切さを認める形で今後は「少女像」という言葉は使わず、「慰安婦像」に統一することを決めたという。事実だとすれば、この呼称のおかしさと欠陥を批判してきた側として、この新決定への歓迎を述べたい。

毎日新聞が2月2日、以下のような報道を流した。

≪(日本)外務省は2日、ソウルの日本大使館前や釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦を象徴する少女像の呼称について、「慰安婦像」に統一する方針を決めた。自民党で「『少女像』では慰安婦が少女ばかりだったような印象を与える」などと変更を求める意見が相次いだことを踏まえた。

日本政府はこれまで、国会答弁や記者会見などの中で「少女像」「慰安婦の少女像」「慰安婦像」など複数の呼称を使っていたが、像が少女を表現しているため、主に「少女像」と呼ぶ例が多かった。2015年12月の日韓合意時は韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が共同記者会見で「日本大使館前の少女像」と表現した。

昨年末に釜山の総領事館前の少女像が設置された後、自民党で呼称の変更要請が相次いだため、検討していた。【小田中大】≫

以上のように日本の外務省も慰安婦像を慰安婦像と呼ばないできた経緯があったのだ。

その点に主要メディアの親韓傾向がつけこんだということか。この種のテーマでは日本側には韓国や中国の主張に最大限の同情や同調を示すことが「良識的」であるかのような、奇妙な日本版の「ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)」志向が年来、存在してきた。アメリカでは「ポリティカル・コレクトネス」は建前だけ、ときには偽善っぽい態度として批判されることがある。

今回の外務省の呼称統一には自民党側からの圧力がかなりあったようだ。自民党は1月27日に外交部会などの合同会議を開き、慰安婦問題などを協議した。そのなかで一部議員が慰安婦像の呼称の問題を取り上げ、「少女像」などと呼ぶのはまったくおかしいと外務省をも非難したというのだ。その会議の模様を報じた産経新聞の記事から以下を抜粋しよう。

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