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女子アイスホッケー連続五輪挑戦 

Japan In-depth / 2017年2月8日 10時36分

女子アイスホッケー連続五輪挑戦 

神津伸子(ジャーナリスト・元産経新聞記者)

■眼前の冬季五輪最終予選

間もなく韓国・平昌冬季五輪出場をかけて世界最終予選にのぞむ女子アイスホッケー日本代表、スマイルジャパン。北海道・苫小牧の白鳥アリーナでの最終調整に余念がない。

直前のカナダ・カルガリーインフェルノを迎えてのチャレンジマッチは1勝1敗。最終予選で同グループのフランス代表との試合も4-1と快勝し、調子を上げて来ている。

9日から始まる最終予選では4か国のグループリーグにより総当たり戦で、最上位1チームのみが出場権を得る。現在世界ランキング7位の日本は、ドイツ(8位)、オーストリア(11位)、フランス(12位)と同組。ソチ五輪で1勝も出来なかったドイツが最大のライバル。何としても取りたい、ソチ五輪に続いての連続出場権だ。勝てば、平昌冬季五輪出場選手決定第一号となる。

■新生スマイルジャパン

21人の代表メンバー中、14人がソチ五輪経験者。多くの選手が20代半ばと選手としても円熟期を迎えている。昨年7月からチームを率いる山中武司監督のもと、新生スマイルの目玉は、35歳のベテラン小野粧子(フルタイムシステムズ御影レッズ)、バンクーバー五輪最終予選の経験が生かされるか。若手では最年少の永野元佳乃(18・Ontario Hockey Academy)、ソチ五輪眼前で代表を逃した床秦留可(19・SEIBUプリンセスラビッツ)のフォワード陣の決定力が、期待される。

DFでは、アイスホッケーの本場カナダで生まれ育った細山田茜(24・Cargary Inferno)が加わり、守りに厚みを増した。

山中監督が「得点が取れる」「しっかり守れる」選手を選んだと公言する最強メンバーに、五輪切符獲得の期待がかかる。各国に劣る体格差を補うために、体力とスピードの強化に力を入れて来た。「ここはあくまでも通過点」(大澤ちほ主将)と、視線はあくまでその先の平昌を見据える。

スマイルジャパンとサクラセブンズの熱い友情

そんなスマイルジャパンは、実は、昨年のリオ五輪で初出場を果たした女子7人制ラグビー代表・サクラセブンズと縁が深く、仲が良い事はあまり知られていない。きっかけは、2013年12月のスマイルジャパンのソチ五輪に向けての苫小牧での強化合宿の見学に浅見敬子前ヘッドコーチや中村知春主将(当時)らが、訪れたことだった。リオ・東京五輪を見据えたサクラセブンズが「共通点が多く、学ぶべきところが多いスマイルジャパンに勉強させてもらいたかった」(浅見)。

練習場所や時間の確保が難しい、競技人口が少ない、女子選手が取り組むには激しいスポーツなど、確かに似通っている両者。広報体制など多くを学んだが、何より両競技の選手がそのような過酷な状況下でも、明るく元気な事から、すぐに打ち解けて仲良くなった。スマイルジャパンのメンバーが、サクラセブンズの合宿に講演に訪れる事もあった。

リオ五輪への寄せ書き

何よりも、サクラセブンズのメンバー喜ばせたのは、2015年秋のリオ五輪出場をかけての最終決戦の戦いの中、東京・秩父宮ラグビー場に直接届けられたスマイルジャパンからの熱い寄せ書きだった。しかも、直々届けたのは代表の守護神の一人、小西あかね(21・SEIBUプリンセスラビッツ)。寄せ書きには「届け!SMILE POWER!!」「全力で応援してます!テレビで皆さんの活躍が観られるのを楽しみにしています」などや、「リオ五輪で真紀子ちゃんが見たい!」と、直接サクラセブンズの冨田真紀子(25・フジテレビ)を応援するものまで。その勢いに乗って、サクラセブンズは見事、リオ五輪に出場を果たした。スマイルジャパンに対しても「何としても平昌へ!」と、エールを送る。

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