安倍政権の奇妙な安定 受け皿ない自民と野党
Japan In-depth / 2017年2月16日 1時8分
■儀礼、手みやげ外交は限界に?
トランプ大統領就任前のいち早い面会やオバマ前大統領退任の手みやげともいうべきハワイ・真珠湾訪問、トランプ大統領との会談やゴルフなど安倍外交は一見にぎやかだが、多くは儀式的なものが多く、内容の伴った外交的成果は少ないとみてよかろう。ただ、アメリカとの儀礼外交は華々しくみえ、国民にはウケがよいので安倍外交は得点をあげ続けているように見えるのだ。
今回の日米首脳会談を終え、安倍政権は何を目玉に政策運営を行なうのだろう。IR(統合型リゾート)法案で成長戦略を探るという声もあったが、「結局カジノ法案ではないか」と揶揄され、可決はしたものの与党の公明党は自主投票、自民党の中にも反対者がいるといった有様だ。大体、カジノは世界的に衰退基調にあり、パチンコなどもかつてほどの人気はない。
■投資の一時的な避難先としては良し?
要は、民主党など野党にアイデアも気力もないから安倍政権に甘んじているというのが今日の政治状況だし、ヨーロッパやアジア諸国、朝鮮半島に比べれば日本の政局が安定しているので、一時的な投資先として逃避場所にされているというのが今の株高現象だろう。
日本人と日本企業には、消費意欲や投資意欲はなく、ひたすら貯金と海外企業の買収(M&A)で引き籠っているのが実態ではないか。
昔から“政治の一寸先は闇”という。まだ支持率が高いうちに総選挙を実施して超長期政権の基盤固めをしようという思惑もあるようだが、国民は果たして選挙で“何を問うたらいいのか”と戸惑うのではないか。とにかく野党がもう少し存在感をみせることだ。
と同時に、安倍外交も儀礼的な訪問や援助を振りまく旅はやめて、トランプに対しTPPやNAFTA、円安批判などに正面から議論を仕掛けたらどうだろう。また分断されつつある東南アジア諸国にももっと存在感を示して欲しいものだ。
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