極右候補トップ、仏大統領選
Japan In-depth / 2017年2月25日 13時47分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
2月6日のニューヨーク為替市場はいつもと何かが違いました。
原因の一つとしてアメリカのトランプ大統領の政策に対する不安感も市場に影響してはいるでしょうが、6日の動きはアメリカと言うよりも週末に開かれたフランス大統領選挙戦に向けての選挙集会の影響も大きかったようです。
フランスでは、4~5月の大統領選に向けて本格的な選挙戦が始まり、2月の4日、5日はその第一回目となる週末であり、それぞれの候補者により大規模な選挙集会が開かれました。戦後フランス政治を支えた中道二大政党は今回は苦戦を強いられおり、今だかつてない展開を見せているフランスの大統領選。この週末に多くの人気を集めていたのは、市民運動「前進」を率いるエマニュエル・マクロン前経済相と極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首だったのです。
現在、オランド大統領の与党・社会党候補であるブノワ・アモン前国民教育相は、現時点では中道左派をうまくまとめきれない状態であり、5日の集会にもマニュエル・バルス前首相とベルナール・カズヌーブ現首相の姿も見られず、今後を心配する声もありましたが、同じく大統領選候補者の極左政党「左翼党」のジャンリュック・メランション氏がアモン氏と一緒に仕事をしていきたいと歩み寄りを見せるなどの動きが見られました。
一方、中道右派候補で有力視されてきたフィヨン元首相は、ペネロプ夫人が実際には働いていないにもかかわらずフィヨン氏の議員秘書の名目で給与を受け取っていたうえ退職金までもらっており、その他にも2人の子どもを雇用していたなど、公金から総額約100万ユーロ(約1億2000万円)を受け取っていた疑惑が浮上し急激に支持率を落とし、この週末は集会で姿を見ることはなく、現在釈明に追われています。
代わりにマクロン氏が短期間の間に人気が急上昇。4日のリヨンでの集会にはなんと1万6000人が集まり、会場に人が入りきれないほどの盛況ぶりでした。大勢の支持者に囲まれたマクロン氏は、左派、右派に分裂したフランスを団結させると力説したうえ、ヨーロッパ一体としての平和と繁栄を目指すべきだとしてEU離脱を呼びかける勢力をけん制し、会場は盛大な拍手で盛り上がったのです。
同じく盛況ぶりを見せたのが「フランス第一」を唱えるルペン氏の国民戦線。「フランスのEU残留か離脱かを問う国民投票の実施」「ユーロ廃止と自国通貨の再導入」などの反グローバリゼーション化を掲げ、「対移民」の政策には、スタンディングオベーションで答える支持者たち。
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