極右候補トップ、仏大統領選
Japan In-depth / 2017年2月25日 13時47分
現時点で、ルペン氏は、第1回投票でトップになることが予想されており、Ifop-Fiducial世論調査(注1)(1月31~2月3日実施)でも、一位は、ルペン氏 25%、2位 マクロン氏 20.5%、3位 フィヨン氏 18.5%。アモン氏 16.5%。メランション氏 10%と続いています。
こういった公約を約束するルペン氏がこのままフランスの大統領になれば、欧州連合(EU)の崩壊をうながしかねず、欧州の債券市場ではフランスの国債が売られると言う動きにもつながりました。
フランス資産の下落を見込んだ取引状況を受け、フランスのサパン財務・公会計相は、7日のロイターのインタビューで「投資家はルペン氏の勝利を見込んだ取引を行えば損失を被ることになる」ことを警告しています
ルペン氏が世論調査でいくら一位を飾っても、それはあくまでも第一回目の選挙の予想でしかないからです。フランスの大統領選は第一回目でトップになっても過半数に票が達しない限り二回目の決戦に持ち込まれ、通常では最終的に反極右の政党が一致団結し票がまとまるため、ルペン氏以外の上位候補者、つまりマクロン氏が大統領になるという予想が有力です。
サパン財務・公会計相は、「イギリスのEU離脱決定やアメリカ大統領選でのトランプ氏の勝利時の予想が外れたからと言ってルペン氏についても見方を誤っていると考えるのは、フランスのことを全く理解していないということだ」とも続けます。
とは言っても、今年の選挙は従来と比べるととても特殊な状況になっていることは確か。今まで注目をここまで浴びることがなかったルペン氏が大統領選挙の第一回投票で一位を予測されることも史上初、中道2大政党が上位に入らない、また通常なら2回目決戦に行く候補者は世論調査で25%以上の票を獲得していたのにもかかわらず、今回は25%以下の水準の候補者が決戦に行くことが予想されるなど異例なことばかり。3月に行われるオランダ議会選挙がフランスの大統領選挙に影響する可能性もあり、投資家が不安に思う材料が豊富であることは間違いないでしょう。
いずれにしろフランスの本格的な選挙戦は始まったばかりで、正確な結果はふたをあけてみなければわかりません。結果によっては世界に大きく影響を与えるかもしれない今年の大統領選挙。今後の動向にまだまだ目が離せません。
(注1) Rolling 2017 L’élection présidentielle en temps réel 3 février 2017
http://cdn1-new-parismatch.ladmedia.fr/var/ifop/03-02-2017.pdf
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