トランプ氏トイレ政策撤回の波紋
Japan In-depth / 2017年2月25日 18時0分
本来は連邦議会に法案を出して、新たな法律を作っての新措置とすべきという指摘も多かった。だがオバマ大統領にとって連邦議会は上下両院とも野党の共和党に多数を握られているため、大統領令による以外になかったのだろう。
ところがこの大統領令は性的少数者側から大歓迎される一方、一般からの反発が強かった。とくに保守的、伝統的な価値観を重視する学生や生徒の親たちから激しい反対運動が起きた。全米の20近い州でこの措置を無効だと主張する訴訟が起きた。そもそも全米各地の学校の運営は地元の地方自治体が責任を持つ場合が多いため、連邦政府の長である大統領の指令だけでこうした措置がとられることへの批判も少なくなかった。
トランプ氏は選挙キャンペーン中からこのオバマ大統領の措置に強い反対を表明して、大統領になれば、それを破棄すると公約していた。だから大統領就任からほぼ1ヶ月後にその公約を果たしたわけだ。この問題こそまさにアメリカ社会のリベラル、中道、保守という思考の相違の集約なのである。日本でも起きてもふしぎはない動きだともいえようか。
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