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北朝鮮弾道ミサイル発射か、マレーシアは断交へ

Japan In-depth / 2017年3月6日 9時27分

こうしたことから両国関係が今後悪化の一途をたどり、最終的に「国交断絶」も予想される事態となってきたが、マレーシア政府は「自国の権益を守るため」として最悪の事態も辞さない強い姿勢を示している。北朝鮮大使館前では市民による北朝鮮非難のデモが起き、一部メディアは「国交断絶」を求める国民の声や識者のコメントを伝えるなど、マレーシア世論は政府の強硬姿勢を歓迎し、支持を示している。

こうしたマレーシア政府の強硬姿勢の背景にはナジブ政権と密接な関係にある中国政府の意向も反映しているとの見方が有力で、中国が今回の金正男暗殺事件に衝撃を受け、怒りを見せていることを裏付けている結果といわれている。

■当局、金正男の身元特定に全力

マレーシア捜査当局は暗殺実行犯とされるインドネシア国籍とベトナム国籍の2女性容疑者を1日に殺人容疑で起訴した。その一方で事件に関連して逮捕拘束していた北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル氏をマレーシア警察は3日に「証拠不十分」で釈放、国外追放とした。リ氏は北朝鮮への帰途寄った中国・北京の北朝鮮大使館で会見し「事件は北朝鮮を貶める謀略だ」と発言した。

この発言は1日に北朝鮮の朝鮮中央通信が今回の事件を「荒唐無稽な詭弁、危険な政治的妄動」と表現したことと軌を一にしており、

北朝鮮が今後とも事件と無関係の姿勢を貫くことを示している。

今回のリ氏の釈放でマレーシア捜査当局の事件解明の直接の手掛かりは起訴した実行犯とされる2女性と金正男氏の遺体だけという事態となった。事件への関与が濃厚として出頭を求めたり手配中の北朝鮮国籍の人物はいずれもすでに北朝鮮に帰国したり、クアラルンプールの北朝鮮大使館内に潜伏中とみられている。北朝鮮が非協力的な姿勢でなおかつ外交上の制約があるため、マレーシア捜査当局が取れる方策は限定的にならざるをえないとの見方が広がっている。

しかし地元紙記者などは「暗殺関係者の身柄拘束が実行犯2女性に限られたとしても北朝鮮という国家が事件に深く関与した構図を暴くことは可能」として、事件の全容解明で国際社会での北朝鮮非難の高まりを期待できるとしている。

そのためにも遺体の身元が金正男氏ではないと強弁し続ける北朝鮮に対し、「確固たる証拠」を突きつけるため遺体の身元特定に全力を挙げる方針を保健省は示している。金正男氏の歯形のデータに加えていまだに入手できていないとされる金正男氏の親族からの試料提供を受けて最終的にはDNA鑑定での身元確定を目指している。

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