PKO5原則に限界 南スーダン自衛隊撤収
Japan In-depth / 2017年4月2日 17時17分
次に、南スーダンの情勢を報告する「日報」が隠蔽されていた問題について細川氏は言及。「大臣も知りえない状況にあるのだとすれば、防衛省はきちんと統制がとれているのかと多くの国民は不安になっている。」とこの問題の重要性を指摘した。
大野氏は防衛省を、「ほかの省庁より正直真面目。しかし上からの指示に委縮するところや、不器用なところがあるというのも事実。」との認識を示した。大野氏はこの問題について、「日報を隠させて、そのあと発見されたのが12月26日、大臣に報告がいったのは1月27日。1か月以上報告がいかなかった」点に着目し、「シビリアンコントロール(文民統制)が効いていているかどうかが重要」だとした。
さらにそこから、「政治と役所、政治と部隊との距離が非常に大きくなってしまっていることの方が問題」との見方を示した。もちろん日報が出てこないというのも問題だが、「シビリアンコントロールが効いていることが国民の自衛隊や防衛省に対する信頼につながり、自衛隊も万全に仕事ができる。これが本来あるべき姿だが、そこが崩れかけているのではないか。」と述べた。
細川氏も、「一番大事なのは(国民との)信頼関係。」と述べ、「自衛隊は特に命を預けるという意味で私たち国民も、大臣をはじめ防衛省の体制に不安を感じる。」と述べ、今後も追及が必要との考えを示した。
(注)PKO五原則
1. 紛争当事者の間で停戦合意が成立していること
2.国連平和維持隊が活動する地域の属する国及び紛争当事者が当該国連平和維持隊の活動及び当該平和維持隊への我が国の参加に同意していること。
3.当該国連平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守すること。
4.上記の原則のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、我が国から参加した部隊は撤収することができること。
5.武器の使用は、要員の生命等の防護のための必要最小限のものを基本。受入れ同意が安定的に維持されていることが確認されている場合、いわゆる安全確保業務及びいわゆる駆け付け警護の実施に当たり、自己保存型及び武器等防護を超える武器使用が可能。
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2017年3月25日放送の要約です)
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