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「2020年に向けた実行プラン」の問題点 東京都長期ビジョンを読み解く!その42

Japan In-depth / 2017年4月28日 8時55分

この荒唐無稽な仮定の内容は別にして、目標達成の意味がないことは読者ならお分かりになるだろう。

(3)ランキングを目標にする安直さ

第三に、ランキングが目標に設定されることの安易さである。「世界の都市ランキング」での順位を掲げたということは、以下の民間団体の視点・考え方に同意したということになる。

「世界の都市総合力ランキング」(Global Power City Index, GPCI)は、地球規模で展開される都市間競争下において、より魅力的でクリエイティブな人々や企業を世界中から惹きつける、いわば都市の“磁力”こそが「都市の総合力」であるとの観点に立ち、世界の主要都市の総合力を評価し、順位付けしたものである。世界を代表する主要42都市を選定し、都市の力を表す6分野(「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」)における70の指標に基づいて評価・・・

 【参考】森記念財団都市戦略研究所HPより抜粋

http://www.mori-m-foundation.or.jp/ius/gpci/

 

過去にコンサルタントをしていたときに、ランキングなどを作ろうと画策したことがあった。結局、ランキングは作らなかったのだが、そもそも、こうしたランキングには恣意性が入りがちだ。自分たちの都合のよい設問や選択肢の配点を多くしないように、誘導しないようにと注意しても、上司や会社からのプレッシャーを無視した設計ができるはずがない(仕事でやっているのだから)。

選択肢をどのように設計し、配点をどのように決め、強弱をつけていくのか、は主催者側にある。武士の情けでそれ以上は言わないが、「なぜこの指標を選択したのか」の説明責任は求められるであろう。

この指標を取り上げた理由について、万が一都知事の定例記者会見にて私に質問の場を与えられることがあったとしたら(夢のようなことだが)、是非質問したいところだ。

以上、専門家として厳しい意見を言ってきて偉そうで申し訳ないが、小池都知事へ期待していることも事実である。都議選ではこのプランをもとに政策討論が行われることを切に願う。

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